請求人が行った株式の譲渡による所得は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における資産の譲渡による所得には当たらないとした事例(平成22年分の所得税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成27年7月28日裁決)
[所得税法][総則][非課税所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2015/07/28 [所得税法][総則][非課税所得]《要旨》 請求人は、資産を譲渡した時(本件譲渡時)において、資産を譲渡することとなった原因と密接に関連した請求人を被告とする損害賠償請求訴訟(本件訴訟)が係属中であり、敗訴の可能性が高かったことからすれば、本件譲渡時の現況において、当該資産の譲渡による所得は、所得税法第9条《非課税所得》第1項第10号に規定する資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の資産の譲渡による所得に該当する旨主張する。
しかしながら、本件訴訟は、本件譲渡時において係属中であり、請求人の本件訴訟に係る債務については、その存否も額も明らかではなく、債務として確定していないから、かかる未確定の債務をもって債務超過の状態が著しいと認めることはできないし、また、課税しても結果的に徴収不能となることが明らかな場合に譲渡所得等を非課税とする上記規定の趣旨に照らしても、これを考慮することはできないというべきであるから、請求人の主張には理由がない。
《参照条文等》所得税法第9条第1項第10号所得税法施行令第26条所得税基本通達9−12の2
《参考判決・裁決》東京高裁平成23年2月23日判決(訟月58巻1号193頁、ジュリ1455号132頁)
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人が行った株式の譲渡による所得は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における資産の譲渡による所得には当たらないとした事例(平成22年分の所得税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成27年7月28日裁決)
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