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役員報酬(事前確定届出給与)で節税

事前確定届出給与を役員賞与のように活用して節税する。事前確定届出給与の要件や注意点。
【最終更新】(※情報登録:2015/10/20)
【カテゴリ】法人税
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役員賞与は損金算入できません

 原則的に役員賞与は法人税において損金処理できず、必要経費にはなりません。それにも関わらず、役員賞与を受け取った役員の所得税においては、給与所得として課税されます。法人税と所得税のダブルパンチで課税されるので、非常に不利です。そのため、役員賞与を利益調整手段として利用することはできません。
 ところが、「事前確定届出給与」を役員賞与のように利用すれば、多少の手間はかかりますが、法人の利益調整が可能になります。しかもノーリスクで。

事前確定届出給与の活用方法について

 法人税法において損金算入が認められる役員報酬は、定額の月次報酬(定期同額給与)が最もポピュラーです。けれども、遡って報酬額を改定することはできませんし、改定も年一回しかできません。

 損金として認められる役員報酬は、上記の月次報酬以外に2つあります。
  • 事前確定届出給与
  • 一定の利益連動給与
 このうち「一定の利益連動給与」は大企業向けの制度で、同族会社では認められていません。それに対して「事前確定届出給与」は、どの法人でも利用することができる上、要件もさほど厳しくないので使い勝手の良い制度と言えます。
No.5209 役員に対する給与(平成19年4月1日以後に開始する事業年度分) | タックスアンサー(国税庁)
[平成27年4月1日現在法令等]  平成19年4月1日以後に開始する各事業年度において、法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与又は利益連動給与のいずれに..

事前確定届出給与の要件

 「事前確定届出給与」の要件を満たせば、月次報酬とは別に、役員に対する年数回の報酬を損金として計上することが可能になります。「定期同額給与」は月次報酬そのものですが、「事前確定届出給与」は役員賞与に近い位置付けとなります。
 また、「事前確定届出給与」を活用することで、非常勤役員に対して年1回だけ報酬を支払うことも可能になります。

 事前確定届出給与の要件は以下の2つを全て満たすことです。
  1. 税務署に対して、役員ごとに「支給日」と「支給額」を事前に届け出る。
  2. 上記の内容通りに正確に支給する。

 事前確定届出給与の届出期限は、原則として以下のうちいずれか早い日となります。
  • 株主総会(社員総会を含む)の決議日から1ヶ月を経過する日
  • その会計期間開始の日から4ヶ月を経過する日
 例えば、3月31日決算で、株主総会が5月20日に実施された法人の場合、
  • 6月19日(※株主総会から1ヶ月を経過する日)
  • 8月 1日(※会計期間開始をから4ヶ月後)
となるので、6月19日が届出期限の目安となります。
 ただし、新設法人の場合は設立日以後2ヶ月を経過する日となります。

[手続名]事前確定届出給与に関する届出
www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/ann...

事前確定届出給与の注意点

 使い勝手のよい事前確定届出給与ですが、法人の利益が思ったより出なかったときには注意が必要です。
 この場合、事前確定届出給与を一部だけ支給しても損金処理できないので、支給すべきではありません。あくまでも事前に届けた「支給額」を正確に支給する必要があります。
 事前に設定した「支給額」を支給しない場合は、「支給日」以前に取締役会を開催し、以下の2点を決議しておくなどの対策が必要となります。
  1. 事前確定届出給与を当該役員に対して支給しないこと。
  2. 事前確定届出給与の受取を当該役員が辞退したこと。

 事業年度の途中で「事前確定届出給与に関する変更届出」を提出することにより、内容を変更することが可能です。その際、臨時改定事由か業績悪化改定事由が必要となります。
  • 臨時改定事由(役員の職制上の地位の変更、職務の内容の重大な変更等。法人税法施行令第69条第1項第1号ロ)
  • 業績悪化改定事由(経営の状況が著しく悪化したこと等。法人税法施行令第69条第1項第1号ハ)
 なお、この臨時改定事由等が認められる要件は厳しいので、事業年度中の変更はしない方が無難だと思われます。

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