請求人と株主を同じくする関連会社に対する貸付金の利息免除について寄付金に該当しないとした事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1981/10/14 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]裁決事例集 No.23 - 154頁
貸付金から生ずる利息は、その利息の計算期間の経過に応じて益金の額に算入するのが原則であるが、債務者が債務超過に陥っていることその他の相当の理由により、その支払を督促したにもかかわらず、相当期間未収が継続し、現実に利息を回収することが極めて困難であり、未収利息を益金の額に算入することが著しく実情に即さないと認められる場合には、実際に利息を回収するまで益金の額に算入しないことも、公正妥当な会計処理の基準に従っているものと解すべきであるところ、請求人が利息を免除した請求人と株主を同じくする関連会社は、業績が逐年悪化し、相当期間債務超過の状態が継続しており、同社から、現実に利息を回収することは極めて困難な状態にあったものと認められる。
したがって、本件利息を請求人の益金の額に算入すべきものと認定し、当該金額を免除したことは、相手方会社に対する経済的利益の無償供与に当たるから法人税法上寄付金に該当するとした更正は相当でない。
昭和56年10月14日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人と株主を同じくする関連会社に対する貸付金の利息免除について寄付金に該当しないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(法人税法>所得金額の計算>損金の額の範囲及び計算>寄付金)
- 固定資産である本件土地は1年以上遊休状態にあったが、そのことにより価額が低下した事実は認められないため、本件評価損の損金算入は認められないとした事例
- 損金の額に算入されなかった使途不明金について販売手数料であると認定した事例
- 外注費として支出した工事代金等につき対価性がなく寄附金に該当するとした原処分の一部を取り消した事例
- 関係会社に損失が生じたときには請求人がその損失の一切を賠償する旨の契約書を作成し、この契約書に基づきした損失補てんは寄付金に該当するとした事例
- 紛争を回避するために支払う金員は当該紛争を回避することにより利益を受ける者が負担すべきであるところ、請求人が支払手数料名目で支払った金員は受注先が紛争を回避するための支出であって請求人が負担すべき費用ではないから、受注先への経済的利益の供与であり、寄付金に該当するとした事例
- 請求人が損金の額に算入したグループ法人に対する業務委託料は、当該グループ法人に対する資金援助を仮装して計上されたものであり、対価性がなく寄附金の額に該当するとした事例
- 請求人の本件外注費の計上は、仮装によるものとして損金算入を認めなかった事例
- 株式方式によるゴルフ会員権が取引市場において下落した場合であっても、発行法人の資産状態が著しく悪化したものではないとして損金算入を認めなかった事例
- 本件各貸付金に係る貸倒損失については、貸倒れの事実が認められず、あるいは当該事業年度以前に貸倒れの事実が生じていたと認められるとして、それを当該各事業年度の損金の額に算入することはできないとした事例
- 同業数社間で締結している拠出金還元金規約に基づく拠出金について寄付金と認定した事例
- 債権償却特別勘定の設定は認められないとした事例
- 子会社の代表取締役に就任した使用人兼務役員に支払った使用人分給与を子会社に対する寄付金と認定したことは相当でないとした事例
- 預託金制から株式制に転換されたゴルフ会員権(株式)について、1株当たりの純資産価額には著しい下落は認められないとして株式の評価損の計上を認めなかった事例
- 寄付金と認定されたグループ3社の共同社員旅行に係る請求人の負担額は、著しく合理性を欠く配分によるものであるとは認められないから、その全額が福利厚生費として損金の額に算入されるのが相当であるとした事例
- 請求人が財団法人に対して支出した本件出捐金は基本財産とすることを指定して支出したものであるから、寄付金に該当するとした原処分が適法とされた事例
- 請求人が債権を放棄した時点において、債務者は70パーセント完成した建物を有しており、その処分につき請求人を含めて協議中であったから、当該債権が回収不能であったとは認められないとした事例
- 債務保証契約に基づく保証債務の履行に伴う損失が寄付金に当たるとした事例
- 請求人が業務委託費の精算されていない費用として国外関連者に支払った金員は、国外関連者の欠損を補てんするための寄附金であるとした事例
- 分譲マンションの建設用地について、本件土地を含む地域が地すべり防止区域に指定されたこと及びおよそ300離れた同様の傾斜地で土砂崩れがあったことは、評価損が損金に算入される法人税法施行令第68条第1号ニの「準ずる特別の事実」に該当しないとした事例
- 本件土地の譲渡価額と時価との差額が生ずることについて合理的な理由があるとは認められないから、その差額は寄付金に該当するとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。