非常勤の取締役3名に対して支給した役員報酬額は、当該取締役の職務の内容等に照らし不相当に高額であるので、当該取締役の職務の対価として相当であると認められる金額を超える部分の金額は、損金の額に算入することはできないとした事例
裁決事例(国税不服審判所)
1997/09/29 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][役員報酬、賞与及び退職給与][役員報酬]代表者の妻ら3名の取締役(以下「本件取締役」という。)に対して支払われた役員報酬額は、[1]本件取締役は業務執行権を有せず具体的な職務執行の内容が不明確であり、また、代表者の答述によれば、役員報酬額等は社員総会において支給総額を決定し、代表者及び他の役員一族でそれぞれ折半することとしていること等を併せ考慮すれば、本件取締役の職務内容は請求人の経営に深くかかわるものとは認められないこと、[2]請求人の各事業年度の売上高・売上総利益の伸び率に比較すると、当該各事業年度の本件取締役の支給額は、相当高い伸び率であると認められること、[3]本件取締役の役員報酬額は、いずれも請求人の類似法人で本件取締役と職務内容が類似すると認められる非常勤の取締役に対する役員報酬額の平均額と比較すると極めて高額であると認められること等から、本件取締役の役員報酬額はその職務の対価として相当ではなく、類似法人の平均的な役員報酬額を超える部分の金額は、不相当に高額な部分の金額であって損金の額に算入されないというべきである。
平成9年9月29日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 非常勤の取締役3名に対して支給した役員報酬額は、当該取締役の職務の内容等に照らし不相当に高額であるので、当該取締役の職務の対価として相当であると認められる金額を超える部分の金額は、損金の額に算入することはできないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(法人税法>所得金額の計算>損金の額の範囲及び計算>役員報酬、賞与及び退職給与>役員報酬)
- 非常勤の取締役3名に対して支給した役員報酬額は、当該取締役の職務の内容等に照らし不相当に高額であるので、当該取締役の職務の対価として相当であると認められる金額を超える部分の金額は、損金の額に算入することはできないとした事例
- 役員給与の減額理由が業績悪化改定事由に該当しないから減額後の定期給与の額を超える部分は定期同額給与とはいえず損金の額に算入することができないとした事例
- 請求人が請求人の代表者の母及び義姉に支払った外注費は請求人の代表者に対する経済的利益の供与と認めるのが相当であるが、このうち毎月定額支給した金額は役員報酬として損金算入すべきであるとした事例
- 各役員への給与に係る支払債務は実際に確定し、請求人においてその支給事務が行われたのであるから、当該役員給与は架空のものとは認められないとした事例
- 取締役会長に支払われた役員報酬及び役員退職給与には、不相当に高額な部分の金額が含まれているとは認められないとした事例
- 請求人名義の車両を代表者に対し贈与等をした事実はなく給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらしたとは認められないとした事例
- 役員就任3か月後に一括支給した報酬増加差額は、臨時的な給与ではなく、役員報酬に該当するとした事例
- 期中にあらかじめ定められた基準に基づいて増額支給した役員報酬の損金算入を認容した事例
- 請求人が監査役に対して支出したとする役員報酬は、取締役に対する報酬を監査役に対する報酬と仮装して経理したと認められることから、損金算入は認められないとした事例
- 役員報酬の金額のうち、請求人と同種の事業を営み事業規模が同程度の類似法人の適正報酬額を超える部分の金額は不相当に高額であるから損金の額に算入されないとした事例
- 非常勤取締役に対する役員報酬について、類似法人から算出した報酬額を適正と判断した事例
- 株主が一堂に会して株主総会が開催されなかったとしても、請求人のように役員が90パーセント以上の株式を有している同族会社において、当該役員により作成された議事録は、実質的に株主総会が開催され、決議が行われた上で作成されたものとみるべきであり、過大な役員報酬の判定はこの議事録に基づいて行うのが相当であるとした事例
- 損益計算法により算定した簿外所得金額と社内に留保された簿外資産との差額を代表者に対する貸付金と認定しその受取利息相当額を役員報酬とした原処分を取り消した事例
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。