店頭における商品の仕入れに際し、仕入先が言うままの名称を帳簿等に記載している仕入取引については、その名称が真実のものでないと推認されるとして、消費税の仕入税額控除は適用できないとした事例
[消費税法][税額控除等][仕入税額控除][仕入税額控除の不適用]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1995/05/31 [消費税法][税額控除等][仕入税額控除][仕入税額控除の不適用]請求人は、本件帳簿等は消費税法第30条第8項及び第9項に規定する帳簿及び請求書等の要件を満たし、保存すべき書類としては十分なものであり、本件調査においても本件帳簿等を提示していることから、仕入税額控除を認めるべきである旨主張する。
審判所の判断は、次のとおりである。
消費税法第30条第1項の適用を受けるためには、課税仕入れの真実の仕入先が記載されていることを要し、ただ単に仕入先の氏名として何らかの氏名が記載されていれば足りるというものではない。
仕入先が請求人の店頭に商品を持ち込み、発行者の氏名及び住所等が記載されている請求書及び領収書を持参しないという、通常一般に行われていない形の取引においては、仕入先の言うがままの氏名等が真実かどうか、社会通念上要求されるところの注意の範囲内では相当程度疑われるというべきである。
しかるに、請求人は、取引の経路等を確認せず、仕入先の言うままの名称を本件請求書に記載していたことは明らかであり、本件帳簿等に記載されている氏名は真実のものではないと推認されるから、本件帳簿等は、氏名等の記載を欠くものと認められ、消費税法に定める帳簿、請求書に該当せず、仕入税額控除の要件とされる帳簿等の保存がなかったことになるので、仕入税額控除をすることはできない。
平成7年5月31日裁決
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