雑所得の基因となった金融商品を外貨で取得するに当たり支出した金額のうち、通貨交換の際に適用された電信売相場と電信売買相場の仲値との差額に相当する部分の金額は、雑所得の金額の計算上必要経費に算入することはできないとした事例
[所得税法][必要経費][雑所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2007/02/14 [所得税法][必要経費][雑所得] 請求人は、本件差額相当額は、円をドルに交換するために銀行に支払った手数料であり、商品Dを取得するために必要な費用であるから、本件利息収入を得るための必要経費に算入されるべきである旨主張する。
しかしながら、所得税法第37条第1項に規定する必要経費とは、売上原価等の直接の費用はもとより、販売費や一般管理費等の間接の費用もこれに含まれるが、それはあくまでも費用に限定されるのであって、費用に当たらない支出は、必要経費に含まれない趣旨と解すべきであるところ、本件差額相当額は、商品Dを取得する際の投資金額の一部分であって、当該投資金額は満期時に返金される金員であるから、同相当額は商品D取得時に費消されておらず、それを費用ということはできない。
また、通貨交換を行う金融機関にとっては、本件差額相当額が手数料としての性格を有するものであるとしても、顧客が円をドルに交換する際には、あくまでも電信売相場が適用されるのであって、電信売買相場の仲値が適用されるのではないから、同相当額の部分のみをとらえて手数料に当たるというのは相当ではない。
したがって、本件差額相当額は、本件利息収入に係る雑所得の必要経費には当たらない。
平成19年2月14日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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