取引先に支払ったとする販売手数料は費途不明であるとはいえないとした事例(平18.10.1〜平23.9.30の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平18.10.1〜平23.9.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し、棄却・平成26年7月28日裁決)
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2014/07/28 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]《ポイント》 本事例は、請求人が取引先に支払ったとする販売手数料は、請求人から取引先に対し売上割戻し又はそれに類似する費用として支払われていたものと認められることから、費途不明であるということはできず、請求人業務との関連性を有するものと認められるから、損金の額に算入することができるとして、原処分の全部を取り消したものである。
《要旨》 原処分庁は、請求人がj社に対して支払ったと主張する販売手数料(本件販売手数料)は、その費途が不明であり、また、業務関連性も明らかではないので本件各事業年度の損金の額に算入することはできない旨主張する。
しかしながら、請求人が保存するi社名義の請求書や領収証に記載された数量が請求人が主張するj社に対する商品の販売数量と一致し、本件販売手数料の支払金額が請求人のj社に対する商品の販売数量に応じて割戻単価を乗じて算定されているものと認められることや、請求人が振り出した小切手がj社の常務取締役に支払われており、同人が管理する銀行口座で取り立てられていることなどからすれば、本件販売手数料は、j社に対し売上割戻し又はそれに類似する費用として支払われていたものと認められ、請求人業務との関連性を有するものと認められることから、費途不明であるということはできず損金の額に算入することができる。
《参照条文等》 法人税法第22条第1項、第3項、第4項 法人税基本通達9−7−20
《参考判決・裁決》 東京地裁平成6年9月28日判決(税資205号653頁)
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 取引先に支払ったとする販売手数料は費途不明であるとはいえないとした事例(平18.10.1〜平23.9.30の各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平18.10.1〜平23.9.30の各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し、棄却・平成26年7月28日裁決)
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(法人税法>所得金額の計算>損金の額の範囲及び計算>寄付金)
- 子会社に対する仕入れの値増し金は当該子会社の資金不足を補うための資金供与としての寄附金であると認定した事例
- 請求人が業務委託費の精算されていない費用として国外関連者に支払った金員は、国外関連者の欠損を補てんするための寄附金であるとした事例
- 分譲マンションの建設用地について、本件土地を含む地域が地すべり防止区域に指定されたこと及びおよそ300離れた同様の傾斜地で土砂崩れがあったことは、評価損が損金に算入される法人税法施行令第68条第1号ニの「準ずる特別の事実」に該当しないとした事例
- 請求人が子会社支援損とした同社に対する貸付債権の放棄額は、寄附金に該当するとした事例
- 手形交換所において取引停止処分を受けた取引先が妻名義で振り出した手形は債権償却特別勘定の対象となるとした事例
- 事業を引き継いだ法人が支出した立替金の利息相当額は寄付金ではなく仮払金に該当するとした事例
- 本件海外慰安旅行の参加者の一人当たりの費用の額は平成3年5月分341,000円、平成4年5月分454,411円及び平成5年5月分520,000円であり、当該金額は、多額であると認められることから、社会通念上一般に行われている福利厚生行事と同程度のものとは認められないとした事例
- 固定資産である本件土地は1年以上遊休状態にあったが、そのことにより価額が低下した事実は認められないため、本件評価損の損金算入は認められないとした事例
- 経営状態が悪化したことを理由とする子会社に対する経済的利益の供与は寄付金に当たると認定した事例
- 関係会社に損失が生じたときには請求人がその損失の一切を賠償する旨の契約書を作成し、この契約書に基づきした損失補てんは寄付金に該当するとした事例
- 預託金制から株式制に転換されたゴルフ会員権(株式)について、1株当たりの純資産価額には著しい下落は認められないとして株式の評価損の計上を認めなかった事例
- 請求人の主張する借入金は存在しないから、支払手数料勘定に計上した支払金(支払利息)は損金に算入できず、コンサルティングフィ、ロイヤリティについても、損金算入を認めなかった事例
- 株式方式によるゴルフ会員権が取引市場において下落した場合であっても、発行法人の資産状態が著しく悪化したものではないとして損金算入を認めなかった事例
- 特定の政治団体の中傷行為等を排除するためにやむなく支出した金員は交際費ではなく寄付金に該当するとした事例
- 子会社の代表取締役に就任した使用人兼務役員に支払った使用人分給与を子会社に対する寄付金と認定したことは相当でないとした事例
- 本件各貸付金に係る貸倒損失については、貸倒れの事実が認められず、あるいは当該事業年度以前に貸倒れの事実が生じていたと認められるとして、それを当該各事業年度の損金の額に算入することはできないとした事例
- 公益法人等が収益事業から公益事業へ支出した金額につき、これと見合う金額を元入金として受け入れているときは、いわゆるみなし寄付金に当たらないとした事例
- 請求人が損金の額に算入したグループ法人に対する業務委託料は、当該グループ法人に対する資金援助を仮装して計上されたものであり、対価性がなく寄附金の額に該当するとした事例
- 外国子会社に対する業務委託費として経費に計上した金員は、外国子会社に対する資金援助に当たり、寄附金と認定された事例
- 外注費として支出した工事代金等につき対価性がなく寄附金に該当するとした原処分の一部を取り消した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。