一時所得で節税
一時所得で節税する
所得税の中で、税制優遇されている一時所得について解説します。- No.1490 一時所得 | タックスアンサー(国税庁)
- [平成27年4月1日現在法令等] 1 一時所得とは 一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。 この所得には、次のようなものがあります。
以下のような収入が該当します。
- 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金。
- 法人からの贈与(例:ふるさと納税に対する自治体から受け取る特産品)。
- 懸賞等の賞金、競馬や競輪の払戻金。
- 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金。
一時所得の計算
一時所得は以下のように計算します。- 一時所得=(収入-支出-特別控除50万円)÷2
一時所得の税額計算
原則的に、一時所得は他の所得と合計して課税されます(総合課税)。ただし、懸賞金付預貯金の懸賞金や、保険期間5年以内の一時払養老保険等については、源泉分離課税(税率20.315%)となります。
- No.1520 金融類似商品と税金 | タックスアンサー(国税庁)
- [平成27年4月1日現在法令等] 金融類似商品の収益については、一律20.315%(所得税15.315%、地方税5%)の税率による源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税関係が終了します。(注) 平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に生ず..
生命保険の一時金等で節税する
生命保険が満期を迎えた場合、あるいは解約した場合には保険金を受け取ります。その際、「受取保険料>払込保険料」であれば、以下の通り、税金がかかってきます。- 一時所得=(受取保険料-払込保険料-特別控除50万円)÷2
- 生命保険で節税
- 掛金支払時の生命保険料控除や保険金受取時の一時所得、一時払い終身保険(相続対策)を上手に使って節税します。
法人からの贈与で節税する
個人が法人から贈与を受けた場合、一時所得として課税されます。よって、法人からの贈与をうまく活用すれば、節税に繋がります。その反面、法人サイドでは個人への寄附金として処理されます。法人税における寄附金は、対価性がないこともあり、原則的に一部しか損金算入できません。そのためトータルで見ると、節税に繋がらないケースが大半です。
ただし、ごく例外的にですが、トータル的な節税に繋がるケースもあります。
一つは赤字法人の活用で、もう一つは非営利法人の活用です。特に繰越欠損金が膨れ上がった赤字法人であれば、法人税のことを気にする必要がないので非常に有効です。
注意点としては、贈与を受けた個人が、その法人の役員や従業員の場合、一時所得ではなく給与所得として扱われることです。特に役員であれば役員賞与認定され、全額損金不算入となるので、節税メリットは全くありません。
この場合、法人は役員でなく、雇用関係のない役員の親族に贈与することを検討しますが、みなし役員の認定に気をつけなければいけません。
ふるさと納税に対する自治体から受け取る特産品
ふるさと納税をすると、地方自治体から特産品を受け取ることがあります。この特産品には対価性がないこともあり、地方自治体から経済的利益を受けたことになります。すなわち、地方自治体は「法人」ですので、法人からの贈与となり、一時所得として課税されます。
そのため、他の一時所得と合わせて、年間50万円を超える場合は、確定申告が必要になるので要注意です。
「ふるさと寄附金」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係
www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi...
関連する節税計算機
- 節税計算機:一時所得
- 一時所得について納税額や節税額を試算します。
関連するタックスアンサー
- No.1490 一時所得
- No.1903 給与所得者に生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合
- No.1520 金融類似商品と税金
- No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき
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