一時所得で節税する
所得税の中で、税制優遇されている一時所得について解説します。
- No.1490 一時所得 | タックスアンサー(国税庁)
以下のような収入が該当します。
- 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金。
- 法人からの贈与(例:ふるさと納税に対する自治体から受け取る特産品)。
- 懸賞等の賞金、競馬や競輪の払戻金。
- 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金。
一時所得の計算
一時所得は以下のように計算します。
収入から支出と特別控除額50万円を差し引いた後、更に2分の1になるので、他の所得に比べると節税効果は非常に高いと言えます。なお、差し引くことができる支出は、収入を得るために直接要したものに限定されます。
一時所得の税額計算
原則的に、一時所得は他の所得と合計して課税されます(総合課税)。
ただし、懸賞金付預貯金の懸賞金や、保険期間5年以内の一時払養老保険等については、源泉分離課税(税率20.315%)となります。
- No.1520 金融類似商品と税金 | タックスアンサー(国税庁)
生命保険の一時金等で節税する
生命保険が満期を迎えた場合、あるいは解約した場合には保険金を受け取ります。その際、「受取保険料>払込保険料」であれば、以下の通り、税金がかかってきます。
- 一時所得=(受取保険料-払込保険料-特別控除50万円)÷2
詳しくは、
生命保険で節税をご確認ください。
- 生命保険で節税
- 掛金支払時の生命保険料控除や保険金受取時の一時所得、一時払い終身保険(相続対策)を上手に使って節税します。
法人からの贈与で節税する
個人が法人から贈与を受けた場合、一時所得として課税されます。よって、法人からの贈与をうまく活用すれば、節税に繋がります。
その反面、法人サイドでは個人への寄附金として処理されます。法人税における寄附金は、対価性がないこともあり、原則的に一部しか損金算入できません。そのためトータルで見ると、節税に繋がらないケースが大半です。
ただし、ごく例外的にですが、トータル的な節税に繋がるケースもあります。
一つは赤字法人の活用で、もう一つは非営利法人の活用です。特に繰越
欠損金が膨れ上がった赤字法人であれば、法人税のことを気にする必要がないので非常に有効です。
注意点としては、贈与を受けた個人が、その法人の役員や従業員の場合、一時所得ではなく
給与所得として扱われることです。特に役員であれば
役員賞与認定され、全額損金不算入となるので、節税メリットは全くありません。
この場合、法人は役員でなく、雇用関係のない役員の親族に贈与することを検討しますが、みなし役員の認定に気をつけなければいけません。
ふるさと納税に対する自治体から受け取る特産品
ふるさと納税をすると、地方自治体から特産品を受け取ることがあります。
この特産品には対価性がないこともあり、地方自治体から経済的利益を受けたことになります。すなわち、地方自治体は「法人」ですので、法人からの贈与となり、一時所得として課税されます。
そのため、他の一時所得と合わせて、年間50万円を超える場合は、確定申告が必要になるので要注意です。
「ふるさと寄附金」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係
www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi... 関連する節税計算機
- 節税計算機:一時所得
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