業務に関連する資格取得のために専門学校に入学した従業員に対して、請求人が奨学金として負担した金員は貸付金と認められるから、当該奨学金は損金の額に算入されないとした事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2013/03/18 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]《要旨》 請求人は、請求人に勤務する職員で看護師等の資格取得のために看護専門学校に入学した者に対し奨学金として負担した金員については、当該奨学金に係る奨学金貸与規則どおりに運用されている実態がなく、奨学金の返還を目的としていないことなどから、支出した事業年度の損金に算入することも認められるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人は、当該奨学金貸与規則に基づき、奨学金申請書を提出した者に対し奨学金を支給していることが認められ、また、奨学金の返還については、当該奨学金貸与規則は規定どおり一定期間の勤務を条件に免除されることが予定されていることから、その奨学金は、支給時点においては債務免除の条件が付された貸付金であり、損金の額に算入することはできず、また、各事業年度終了の日までに、その返還免除の意思表示がされていないことから、各事業年度の損金の額に算入することはできない。
《参照条文等》 法人税法第22条第3項
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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