〔法第7条《課税所得の範囲》関係〕|所得税法
基本通達(国税庁)
(非永住者に係る課税標準の計算……送金を受領しなかった場合)
7−1 非国外源泉所得(令第17条第1号ただし書((非永住者の国外源泉所得のうち課税される部分の金額の範囲等))に規定する非国外源泉所得をいう。以下7−4までにおいて同じ。)及び国外源泉所得(同条に規定する国外源泉所得をいう。以下7−4までにおいて同じ。)を有する非永住者で国外から送金を受領しなかったものに係る課税標準は、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次により計算する。(昭46直審(所)19、平23課個2−33、課法9−9、課審4−46改正、平28課2−4、課法11−8、課審5−5改正)
(1) 国外源泉所得に係る所得で国内の支払に係るものがない場合
非国外源泉所得に係る全ての所得について法第2編第2章第1節《課税標準》から第3節《損益通算及び損失の繰越控除》までの規定により総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額を計算する。
(2) 国外源泉所得に係る所得で国内の支払に係るものがある場合
イ 非国外源泉所得及び国外源泉所得の別ごとに法第23条《利子所得》から第35条《雑所得》まで(令第17条第2号後段に規定する所得については、同号後段)の規定により各種所得の金額(各種所得のうち損失を生じているものについては、その損失の金額。以下7−2までにおいて同じ。)を計算する。
ロ イにより計算した各種所得の金額のうち国外源泉所得に係るものについては、令第17条第3号の規定を適用して国内の支払に係る各種所得の金額を計算する。
ハ イにより計算した非国外源泉所得に係る各種所得の金額とロにより計算した国外源泉所得に係る各種所得で国内の支払に係るものの金額とを同種類のものごとに合計する。
ニ ハにより合計したそれぞれの各種所得の金額で令第17条第2号後段に規定する所得に係るものについては、その所得の種類に応じ、それぞれ次により計算する。
(イ) 給与所得又は退職所得については、それぞれ法第28条第2項及び第4項《給与所得》又は第30条第2項《退職所得》の規定により給与所得の金額又は退職所得の金額を計算する。
(ロ) 山林所得、譲渡所得又は一時所得については、それぞれ法第32条第4項《山林所得》、第33条第4項《譲渡所得》又は第34条第3項《一時所得》に規定する特別控除額を控除し、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は一時所得の金額を計算する。
ホ ハ及びニにより計算した各種所得の金額を基として、法第22条《課税標準》の規定により総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額を計算する。
(非永住者に係る課税標準の計算……送金を受領した場合)
7−2 非国外源泉所得及び国外源泉所得を有する非永住者で国外から送金を受領したものに係る課税標準は、次により計算する(平28課2−4、課法11−8、課審5−5改正)。
(1) 国内源泉所得及び国外源泉所得の別ごとに法第23条から第35条まで(令第17条第2号後段に規定する所得については、同号後段)の規定により各種所得の金額を計算する。
(2) (1)により計算した非国外源泉所得及び国外源泉所得の別ごとの各種所得の金額を、令第17条第3号の規定により、それぞれ国内の支払に係るものと国外の支払に係るものとに区分する。
(3) (2)により区分した国外の支払に係る各種所得の金額について、非国外源泉所得及び国外源泉所得の別ごとに令第17条第2号前段に規定する合計額(以下この項において「国外払の合計額」という。)を計算する。この場合において、国外源泉所得に係る国外払の合計額が赤字となるときは、送金があったものとみなされる金額はないものとして、次の(4)の計算は行わない。
(4) 送金の受領額から(3)により計算した非国外源泉所得に係る国外払の合計額を控除した残額(当該国外払の合計額が赤字の場合には、当該送金の受領額に相当する金額)と(3)により計算した国外源泉所得に係る国外払の合計額とのうちいずれか少ない金額の送金があったものとみなし、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次によりその送金があったものとみなされる各種所得の金額を計算する。
イ 国外源泉所得に係る各種所得で国外の支払に係るものが1種類だけの場合送金があったものとみなされる金額を当該各種所得の金額とする。
ロ 国外源泉所得に係る各種所得で国外の支払に係るものが2種類以上ある場合令第17条第4号の規定を適用して送金があったものとみなされる当該各種所得の金額を計算する。
(5) (1)により計算した非国外源泉所得に係る各種所得の金額、(2)により区分した国外源泉所得に係る各種所得で国内の支払に係るものの金額及び(4)のイ又はロにより求めた各種所得の金額を同種類のものごとに合計する。
(6) (5)により合計したそれぞれの各種所得の金額で令第17条第2号後段に規定する所得に係るものについては、7−1の(2)のニと同様に当該各種所得の金額を計算する。
(7) (5)及び(6)により計算した各種所得の金額を基として、法第22条の規定により総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額を計算する。
(国内において支払われたものの意義)
7−3 法第7条第1項第2号に掲げる「国内において支払われ……たもの」とは、次に掲げるようなものをいう。
(1) その非永住者の国外にある営業所等と国外の顧客との間に行われた商取引の対価で、為替等によりその非永住者の国内にある営業所等に直接送付され、若しくは当該国内にある営業所等に係る債権と相殺され、又は当該国内にある営業所等の預金口座に直接振り込まれたもの
(2) その非永住者の国外にある不動産等の貸付けによる賃貸料で、為替等によりその非永住者に直接送付され、又はその非永住者の国内にある預金口座に直接振り込まれたもの
(確定申告等の時までに支払がない所得の支払地の推定)
7−4 非国外源泉所得又は国外源泉所得でその年分の確定申告書の提出又は更正若しくは決定を行う時までにまだ支払われていないものがある場合において、これらの所得が国内又は国外のいずれにおいて支払われるか明らかでないときは、例えば、同種の取引に係る所得の過去における支払地、国外にある営業所等、国外における受領者とみられる家族等又は国外にある預金口座の有無等の具体的事情に応じ、国内又は国外のいずれにおいて支払われることとなるかを適正に推定するものとする(平28課2−4、課法11−8、課審5−5改正)。
(送金の範囲)
7−5 法第7条第1項第2号に規定する送金には、国内への通貨の持込み又は小切手、為替手形、信用状その他の支払手段による通常の送金のほか、次に掲げるような行為が含まれる。(平19課法9−16、課個2−27、課審4−40改正)
(1) 貴金属、公社債券、株券その他の物を国内に携行し又は送付する行為で、通常の送金に代えて行われたと認められるもの
(2) 国内において借入れをし又は立替払を受け、国外にある自己の預金等によりその債務を弁済することとするなどの行為で、通常の送金に代えて行われたと認められるもの
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/01.htm
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