所得税の延納(利子税)で節税 (*2017年版)
所得税の延納について。利子税の納付方法や利子税をゼロにする方法、注意点など。利子税を必要経費として節税。 (*2017年版)

No.2737 役員等の勤続年数が5年以下の者に対する退職金|源泉所得税

[No.2737 役員等の勤続年数が5年以下の者に対する退職金]に関するタックスアンサー。

タックスアンサー(国税庁)

[平成27年4月1日現在法令等]

 退職所得の金額は、その年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から、その者の勤続年数に応じて計算した退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とされていますが、役員等の勤続年数が5年以下の者に対する退職金のうち、その役員等の勤続年数に対応する部分については、この残額の2分の1とする措置はありません。

1 特定役員等とは

 特定役員等とは、役員等の勤続年数が5年以下である者をいいます。

 この場合の役員等とは、次に掲げる人をいいます。

  1.  法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事、清算人や法人の経営に従事している者で一定の者
  2.  国会議員や地方公共団体の議会の議員
  3.  国家公務員や地方公務員

 また、役員等の勤続年数とは、役員等として勤務した期間をもとに算定することとなっています。

(例) 役員勤続期間 4年3か月の場合

 役員等の勤続年数は、5年となります(役員勤続期間に1年未満の端数がある場合には、その端数を1年に切り上げたものをいいます。)。この場合は、特定役員等に該当することになります。

2 退職所得の計算方法

 特定役員等に該当する者に対して支払われる退職金で、その特定役員等の役員勤続年数に対応する部分(以下「特定役員退職手当等」といいます。)についての退職所得金額の計算方法は、原則として次のとおり行います。

(1)  その年中に支払われる退職金が、特定役員退職手当等のみの場合

特定役員退職手当等の収入金額 − 退職所得控除額

(2)  その年中に支払われる退職金が、特定役員退職手当等と特定役員退職手当等以外の退職手当等の場合(特定役員退職手当等以外の退職手当等には、一般の従業員部分の退職金などが該当します。)
  • 次の(イ)と(ロ)の合計額となります。
  1. (イ)特定役員退職手当等の収入金額 − 特定役員退職所得控除額(注)
  2. (ロ) {特定役員退職手当等以外の退職手当等の収入金額 − (退職所得控除額 − 特定役員退職所得控除額)} × 1/2

(注) 特定役員退職所得控除額は、次の算式により求めます。

 なお、特定役員等の勤続期間と特定役員等でない勤続期間の両方があり、その2つの期間が重複している場合には、その重複する勤続年数(重複している期間に1年未満の端数がある場合には、これを1年として計算します。)部分については、調整計算を行う必要があります。

  1.  重複期間がない場合

    40万円 × 特定役員等勤続年数

  2.  重複期間がある場合

    40万円 × (特定役員等勤続年数−重複勤続年数)

    + 20万円 × 重複勤続年数

(例1)役員としての勤続期間:4年9か月

  •  役員退職金 500万円
  •  勤続年数5年(うち役員勤続年数5年……特定役員に該当)
  •  退職所得金額:500万円 − (40万円 × 5年) = 300万円

このケースでの退職所得金額は300万円となります。

(例2)使用人として10年勤務し、その後役員に就任して3年間勤務した後、退職したケース

  •  使用人退職金 800万円、役員退職金500万円
  •  勤続年数:13年(うち役員勤続年数3年・・・・・・特定役員に該当)
  •  退職所得控除額: 40万円×13年=520万円
  •  特定役員退職所得控除額: 40万円×3年=120万円 
  •  退職所得金額:(500万円−120万円)+{800万円−(520万円−120万円)}×1/2= 580万円

このケースでの退職所得金額は580万円になります。

(例3)使用人として10年勤務し、その後使用人兼務役員に就任して3年間勤務、その後使用人の地位を喪失し、2年間役員専任として勤務して退職したケース

  • 使用人退職金(役員兼務期間を含む)800万円、役員退職金500万円
  • 勤続年数15年(うち役員勤続年数は使用人兼務役員の期間3年と役員専任期間の合計5年・・・・・・特定役員に該当)
  • 退職所得控除額: 40万円×15年=600万円
  • 特定役員退職所得控除額
    この例では、使用人兼務役員としての勤務期間に、使用人期間と役員期間が3年間重複していますので、上記(2)の注書きの調整計算を行います。
    40万円×(5年−3年)+ 20万円×3年=140万円
  • 退職所得金額
    (500万円−140万円)+{800万円−(600万円−140万円)}×1/2= 530万円

このケースでの退職所得金額は530万円になります。

(所法30、201、所令69、69の2、70、71の2、319の3)

 国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。
(注) 下記の電話番号では、国税に関するご相談は受け付けておりません。

出典

国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2737.htm

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