引き続き勤務する従業員に対して支払われる確定給付企業年金の制度終了に伴う一時金|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
当社では、適格退職年金制度から移行した確定給付企業年金制度(規約型)を実施していましたが、今般、同制度を廃止することとしました。同制度の終了に伴い引き続き勤務する従業員に対して支払われる一時金は、所得税法上どのように取り扱われますか。
【回答要旨】
一時所得となります。
確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける一時金で、加入者の退職により支払われるものは、退職所得とみなされます(所得税法第31条第3号)。
ところで、確定給付企業年金の制度終了に伴う一時金のように、契約関係の変更(終了)のみで何ら従業員(加入者)の勤務形態又は身分関係に変更がない(退職の事実又はそれに準じた事実等がない)状況において支払われる一時金を、「加入者の退職により支払われるもの」と解することはできません。また、当該一時金は外部拠出型の退職金制度から支払われるものであるため給与としての性質を有しておらず、所得税法第30条《退職所得》第1項に規定する「これらの性質を有する給与」にも当たりません。
したがって、引き続き勤務する従業員に対して支払われる一時金は、「一時所得」となります(所得税法第34条第1項、所得税基本通達34−1(4))。
【関係法令通達】
所得税法第30条第1項、第31条第3号、第34条第1項、所得税基本通達34−1(4)
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/02/23.htm
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