定期給与の増額改定に伴う一括支給額(定期同額給与)|法人税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
当社(年1回3月決算)は、6月末の定時株主総会において役員に対して支給する定期給与(その支給時期が1月以下の一定の期間ごとであるものをいいます。以下同じ。)について増額改定を決議することとしています。増額改定に当たっては、期首の4月にそ及して増額することとし、4月分から6月分までの給与の増額分は7月に一括支給することとしています。
このような支給形態であっても、7月に一括支給する増額分を含め、法人税法第34条第1項第1号(役員給与の損金不算入)に規定する定期同額給与として当該事業年度の損金の額に算入することができますか。
【回答要旨】
7月に一括支給する増額分は、定期同額給与に該当しないため、損金の額に算入されません。
(理由)
法人が役員に対して支給する給与(退職給与等を除きます。)のうち損金算入されるものの範囲は、次に掲げるものとされています(法法34)。
- 定期同額給与(法法34一)
- 所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で一定の要件を満たすもの(法法34二)
- 利益連動給与で一定の要件を満たすもの(法法34三)
これらの役員給与は、いずれもその役員の職務執行期間開始前にその職務に対する給与の額が定められているなど支給時期、支給金額について「事前」に定められているものに限られています。
したがって、照会の場合のように既に終了した職務に対して、「事後」に給与の額を増額して支給したものは、上記からまでのいずれにも該当しないことから、当該事業年度の損金の額に算入されないこととなります。
【関係法令通達】
法人税法第34条第1項第1号
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/11/14.htm
関連する質疑応答事例(法人税)
- 生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用対象資産を2以上取得した場合の特別償却と税額控除の選択適用
- PFI事業(独立採算型)を行うに当たり有することとなる公共施設等運営権の取扱い
- 準備金の差額積立て等
- 法人税の中間(予定)税額の算出方法について
- 勤続年数の打切りに伴う退職給与の一部打切支給
- 恒久的施設を有しない外国法人が受領する銀行借入保証料
- 工場周辺の住民のためにテレビの共聴アンテナを設置する費用
- 事業者がISO9000を取得するために審査登録機関に支払う手数料の税務上の取扱いについて
- 特定調停により債権放棄を受けた場合の一般的な取扱い
- 配当権利落後の売却株式に係る受取配当金等
- 事務処理の委託を受ける業の範囲(保険請求事務)
- 棚卸資産たる土地を譲渡担保に提供した場合の取扱い
- 恒久的施設を有する外国法人の未収利息に係る所得税額控除
- 交際費等の範囲(接待を受けるためのタクシー代)
- 賦課金の運用による付随収入の仮受経理
- 中小企業者等が取得をした医療機器の中小企業投資促進税制(租税特別措置法第42条の6)の適用について
- 合併が行われた場合の棚卸資産の評価方法(合併法人の評価方法に合わせる場合)
- 公益財団法人の交際費課税上の資本又は出資の額
- 解約返戻金のない定期保険の取扱い
- 生産性向上設備等を段階的に事業の用に供した場合の生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用について
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。