相続税更正処分取消等請求事件|平成19(行ウ)322
[相続税法][国税通則法][更正の請求]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成21年2月27日 [相続税法][国税通則法][更正の請求]判示事項
相続財産である同族会社の株式につき,配当還元方式が適用されることを前提に遺産分割合意をし,同方式に基づいて前記株式を評価した上で相続税の申告を行ったが,前記遺産分割合意に基づく株式の配分方法によると類似業種比準方式による評価に基づき相続税が課税されることが判明したため,改めて配当還元方式の適用を受けられる内容の遺産分割合意をした上で,その遺産分割合意の内容を前提とした更正の請求又は修正申告をした者に対し,前記株式の評価は当初の遺産分割合意の内容に従い類似業種比準方式によるべきであるとしてした相続税の更正処分が,取り消された事例裁判要旨
相続財産である同族会社の株式につき,配当還元方式が適用されることを前提に遺産分割合意をし,同方式に基づいて前記株式を評価した上で相続税の申告を行ったが,前記遺産分割合意に基づく株式の配分方法によると類似業種比準方式による評価に基づき相続税が課税されることが判明したため,改めて配当還元方式の適用を受けられる内容の遺産分割合意をした上で,その遺産分割合意の内容を前提とした更正の請求又は修正申告をした者に対し,前記株式の評価は当初の遺産分割合意の内容に従い類似業種比準方式によるべきであるとしてした相続税の更正処分につき,申告者は,法定申告期限後は,課税庁に対し,原則として,課税負担又はその前提事項の錯誤が要素の錯誤に当たる場合であっても,錯誤を理由として当該遺産分割が無効であることを主張して更正の請求をすることはできないが,(1)申告者が,更正請求期間内に,かつ,課税庁の指摘等を受ける前に,自ら誤信に気付いて,更正の請求をし,(2)更正請求期間内に,新たな遺産分割の合意による分割内容の変更をして,当初の遺産分割の経済的成果を完全に消失させており,かつ,(3)その分割内容の変更がやむを得ない事情により誤信の内容を是正する一回的なものであると認められる場合のように,更正請求期間内にされた更正の請求においてその主張を認めても弊害を生ずるおそれがなく,申告納税制度の趣旨,構造及び租税法上の信義則に反するとはいえないと認めるべき特段の事情がある場合には,例外的に遺産分割合意が錯誤により無効であって,国税通則法23条1項1号にいう「当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかった」場合に当たるとして更正の請求をすることができると解した上,前記株式の評価方法を誤解して当初の遺産分割合意に至ったのは税理士の助言に起因するものであり,自ら遺産の配分方法に誤りがあることに気付いて速やかに改めて遺産分割合意を行った上で,更正請求期間内に更正の請求を行っているなどの事情の下においては,前記特段の事情があるから,前記更正の請求は理由があり,課税庁は,新たな遺産分割合意に従い,前記会社の株式について配当還元方式により評価した価格を前提として,減額更正をすべきであったとして,前記更正処分を取り消した事例- 裁判所名
- 東京地方裁判所
- 事件番号
- 平成19(行ウ)322
- 事件名
- 相続税更正処分取消等請求事件
- 裁判年月日
- 平成21年2月27日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 相続税更正処分取消等請求事件|平成19(行ウ)322
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