建物の譲渡価額の算定に当たり、リゾート地内に所在する特殊仕様の建物であることから鑑定評価を依頼し、この鑑定評価額を時価相当と判断した事例
[法人税法][所得金額の計算][益金の額の範囲及び計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2004/03/16 [法人税法][所得金額の計算][益金の額の範囲及び計算] 請求人は、本件建物の譲渡価額は、一般市場における時価として適正なものである旨主張し、原処分庁は、本件建物は取得の日から5年半しか経っておらず、再取得価額は取得価額と同一であるから、その再取得価額に定率法により償却を行った場合の未償却残高が本件建物の時価である旨主張する。
しかしながら、本件建物はリゾート地内にあり、同地内の不動産売買に関しては土地付建物に市場価値があり、建物だけでは売買の対象とならず、また、本件建物の用途が社員研修所又はモデルハウス等であって特殊性が認められるため、本件建物の価額を求めるためには、建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における市場価額から建物評価額を算出し、さらに本件建物自体の用途等の特殊性を考慮する必要がある。そうすると、原処分庁及び請求人が主張する価額算定方法には合理性が認められないので、当審判所で、不動産鑑定士に、本件建物自体の特殊性を前提にした鑑定を依頼し、提出された鑑定書について鑑定経緯等から検討したところ、相当と認められるので、当該鑑定評価額が本件建物等の「適正な時価」を示すものであると認定できる。
平成16年3月16日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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