特定同族会社に貸し付けられていた建物が相続税の申告期限までに建て替えられた場合の小規模宅地等の特例|相続税・贈与税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
特定同族会社A(食品製造業)の社宅として有償で貸し付けられていた建物(被相続人所有)及びその敷地を相続により取得した相続人が、当該相続に係る相続税の申告期限までに建替え工事(建替え後の建物は、工場として、当該法人に有償で貸し付けられる。)に着手しました。
この場合、従前の建物に係る賃貸契約は解除され、新たに当該法人と賃貸契約を締結することとなりますが、租税特別措置法関係通達69の4-19((申告期限までに事業用建物等を建て替えた場合))の取扱いを適用して、当該建物の敷地について特定同族会社事業用宅地等である小規模宅地等に該当するとして取り扱うことができますか。
【回答要旨】
租税特別措置法関係通達69の4-19の取扱いは、特定同族会社事業用宅地等の判定についても準用することとしており、また、A法人との賃貸契約が解除されたといっても、建物建替えに伴う一時的なものであり、実質は更改に当たるものと解されます。
したがって、建替え後の建物がA法人の事業の用に供されると見込まれる場合には、租税特別措置法関係通達69の4-19の取扱いを適用して差し支えありません。
【関係法令通達】
租税特別措置法第69条の4第3項第3号
租税特別措置法関係通達69の4-19
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/10/09.htm
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