確定申告書で申告しなかった上場株式等の配当を修正申告により申告することの可否|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
上場株式等の配当の金額を総所得金額の額から除外したところで確定申告をした者が修正申告書を提出する場合、その配当の金額を総所得金額に含めて申告し、配当控除の適用を受けることができますか。
【回答要旨】
修正申告で上場株式等の配当の金額を総所得金額に算入することは認められません。
上場株式等の配当の金額は、総所得金額及び配当控除の額等の計算上、除外したところで確定申告できることとされており(租税特別措置法第8条の5第1項)、課税庁が決定又はその後の更正・再更正をする場合は、その配当所得の金額に係る総所得金額及び配当控除の額は課税標準及び税額控除に含めないこととされています(租税特別措置法第8条の5第2項)。この規定ぶりからすると当初申告により選択した又は決定により除外されることとなった上場株式等の配当の処理方法は、その後変更できないものと解されます。
また、上場株式等の配当の金額を総所得金額に算入して確定申告書を提出した場合(租税特別措置法第8条の5非適用)、更正の請求又は修正申告書の提出に当たってはその配当所得の金額を総所得金額から除外できないことを明確にしています(租税特別措置法関係通達8の5-1)。
これは、上場株式等の配当については、確定申告(期限後申告を含みます。)をする時点において、それを総所得金額に含めて確定申告するか、それを除外して確定申告するかの選択を、申告する者の意思に委ねており、その配当所得の金額を総所得金額に含めて確定申告した後においては、配当所得の申告不要制度の適用を受けることができないことを留意的に明らかにしたものとされています。
これらのことから、上場株式等の配当の金額を除外して確定申告した場合(租税特別措置法第8条の5適用)には、その後の更正又は修正申告においても租税特別措置法第8条の5を適用して課税関係を律することとなります。
【関係法令通達】
租税特別措置法第8条の5、租税特別措置法関係通達8の5-1
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/07/01.htm
関連する質疑応答事例(所得税)
- 歯列矯正料の収入すべき時期
- 未払の医療費
- 借入金等を借り換えた場合
- 債務返済支援保険の保険金
- 増改築等の金額の判定
- 家政婦紹介所に支払う紹介手数料
- 住宅の取得に併せて購入したカーテン等の取得対価
- 非永住者の判定(過去に外交官として国内に居住していた場合)
- 合計所得金額3,000万円の判定
- 金やポーセレンを使用した歯の治療費
- 差額ベッド料
- 地震保険料控除に関する経過措置
- 居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例等の適用を受ける場合の修正申告
- オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除
- 家族のみが再居住した場合
- ビニールハウスの耐用年数
- 家屋を賃貸の用に供していた場合の例示
- 親族に支払う療養上の世話の費用
- 終身積立保険移行特約により変額年金保険を終身積立保険に移行した場合
- トタンぶきの屋根を瓦ぶきにした場合
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。