米ドル転換特約付定期預金の預入に際して受領するオプション料|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
A銀行は、自由金利型定期預金に米ドル転換特約を付加した定期預金を販売しています。この預金は、契約時に特約の対価としてオプション料が支払われますが、円高になるとA銀行の判断により契約時に設定された米ドル転換レートにより米ドル預金に転換される場合があります。したがって、預金者は、為替リスクを引き受けることになりますが、オプション料と高金利を得ることができます。
このオプション料は、利子所得として源泉分離課税の対象になるのでしょうか。
【回答要旨】
照会のオプション料は、雑所得として確定申告の対象となります。
銀行における預金等の商品設計については、元本保証を前提に、原則として自由であり各行の経営判断によりこれを行うことができます。また、預金は消費寄託契約ですから、元本保証のない商品は「預金」には該当せず、預金等契約と金融等デリバティブ取引契約との組合せによる元本保証のない商品については、預金等契約と金融等デリバティブ取引契約との2つの契約が同時に行われているものと解されています。
照会の定期預金は、自由金利型定期預金に米ドル転換特約が付されたものであり、円高になると、契約時に設定された米ドル転換レートにより米ドル預金に転換され、円ベースでは元本割れが生ずることもあります。オプション料は特約の対価として支払われることとなっており、定期預金に係る預金利率による利子とは明確に区分されていますので、元本保証のある定期預金契約と金融等デリバティブ取引契約との2つの契約が同時に行われているものと考えられます。
したがって、預金利率に基づく利子は源泉分離課税の対象となりますが、オプション料は、金融等デリバティブ取引に係るリスク負担の対価として雑所得に該当し、確定申告の対象となります。
【関係法令通達】
所得税法第23条第1項、第35条第1項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/02/26.htm
関連する質疑応答事例(所得税)
- 母体血を用いた出生前遺伝学的検査の費用
- オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除
- 再居住を複数回行った場合
- 医療費の支払者と保険金等の受領者が異なる場合
- 傷害特約付生命保険契約の特約の更新
- 死亡した場合や住宅が焼失した場合
- 歯列矯正料の収入すべき時期
- 平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産に資本的支出をした場合
- 法人成りにより使用人を引き継いだ新設法人に支払う退職金相当額
- 旧定率法を旧定額法に変更した後に資本的支出をした場合
- 中小企業者が取得した医療機器への中小企業投資促進税制(租税特別措置法第10条の3)の適用について
- 共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算
- 詐欺による損失
- 借換えをした住宅借入金について再度借換えをした場合
- 米国支店に出向中の従業員が税制適格ストックオプションを行使して取得した株式を譲渡した場合
- 資本的支出の取得価額の特例
- 共有持分を追加取得した場合の住宅借入金等特別控除
- 投資顧問会社に支払う年会費及び成功報酬
- 企業内退職金制度の廃止による打切支給の退職手当等として支払われる給与(退職給付債務を圧縮する目的で廃止する場合)
- 同居していない母親の医療費を子供が負担した場合
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。