権利変換期日前での申告の可否及び被相続人が先行取得した資産を代替資産とすることの可否|譲渡所得
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
組合施行による第一種市街地再開発事業において、やむを得ない事情があるため、権利変換を希望せずに都市再開発法第71条第1項による金銭の給付を希望した者(被相続人)が、その代替資産とする予定の資産を取得した後、権利変換期日前に死亡しました。この場合において、
(1) 死亡日前のある時点を契約日と捉え、契約ベースでの(被相続人の)申告及び当該申告に係る租税特別措置法第33条の適用を認め、先行取得資産を代替資産とすることができますか。
(2) 租税特別措置法第33条第1項第3号の2は、補償金を取得した者について適用があると解した場合に、相続人の譲渡所得の計算上、被相続人が先行取得した資産を代替資産とすることができますか。
【回答要旨】
(1)について
資産について都市再開発法第86条第2項<権利変換の処分>による権利変換処分があった場合における譲渡所得の収益計上時期は、権利変換計画に定められている権利変換期日となるのであり、契約ベースでの申告は認められません。
(2)について
相続人について租税特別措置法第33条第1項第3号の2を適用して差し支えありません。ただし、先行取得資産は相続人が被相続人から相続により取得した資産ですから、当該資産を代替資産として同条の規定を適用することはできません。
【関係法令通達】
所得税法第33条
租税特別措置法第33条
租税特別措置法関係通達33-7(4)
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/14/42.htm
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