法人の特別償却や税額控除(投資促進)で節税
法人の特別償却や税額控除(投資促進)で節税する。中小企業投資促進税制や環境関連投資促進税制、生産性向上設備投資促進税制に関する特別償却や税額..

一部を自社使用し、一部を賃貸の用に供している建物に設置したエレベーターの生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用について|法人税

[一部を自社使用し、一部を賃貸の用に供している建物に設置したエレベーターの生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用について]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

甲社は、以前から4階建て建物(以下「本件建物」といいます。)を所有しており、1階及び2階は第三者である乙社に賃貸し、3階及び4階は甲社が販売活動の拠点として自ら使用しています。
甲社は、このたび、本件建物に設置していたエレベーターの更新のため、既存のエレベーターを撤去した上で、新たに租税特別措置法第42条の12の5第1項《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》に規定する特定生産性向上設備等のうち、いわゆる先端設備に該当するエレベーター(以下「本件エレベーター」といいます。)を設置し、直ちに事業の用に供しました。
甲社と乙社(賃借人)との間で締結された賃貸借契約書上、賃貸借の目的物は、賃借人が専用して使用する貸室部分(以下「貸室部分」といいます。)のみであり、本件エレベーターは含まれていません。
ところで、租税特別措置法第42条の12の5の生産性向上設備投資促進税制(以下「本制度」といいます。)においては、対象設備を貸付けの用に供した場合は、本制度の対象外とされていますが、本件建物のように一部を自社で使用し、一部を貸付けの用に供している建物に設置したエレベーターについても、貸付けの用に供した場合に該当するものとして、本制度の対象外となるのでしょうか。

(参考)

  • (1) 甲社と賃借人との間で締結された賃貸借契約書の内容は次のとおりです。
  • (2) 甲社は、本件エレベーターについて、保守点検業者との間で保守点検等に係る契約を締結し、当該保守点検等に係る費用を支出しています。
  • (3) また、本件エレベーターについては、利用規約において、利用者(甲社及び賃借人の他、訪問者を含みます。)が使用する上で遵守すべき事項(荷物の搬出入時や地震・停電時の注意事項等)が定められています。

【回答要旨】

照会の事実関係を前提とすれば、貸付けの用に供した場合に該当しないものと認められます。

(理由)

  • 1  本制度の対象資産である生産性向上設備等(先端設備)については、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則第5条第1号《生産性向上設備等の定義》に、建物附属設備に区分される電気設備、冷暖房設備、エレベーターなどが各設備ごとに掲げられています。本制度の規定上、対象資産を「貸付けの用に供した場合」には本制度の適用はないこととされていますが、自社ビルの一部を賃貸する場合、この「貸付けの用に供した」かどうかの判定は、各設備(電気設備、冷暖房設備、エレベーターなど)ごとに行うこととなります。
  • 2  各設備を「貸付けの用に供した」かどうかは、当事者間の契約の定めに従うほか実際の使用状況もみて判断することになります。
    建物の一部を自社使用し、一部を第三者に貸し付けている場合、建物の共用部分に設置されたエレベーターは、一般的には、その賃貸借の目的物の範囲に含まれておらず(注)、また、実際の使用状況をみても、貸室部分とは異なり、賃借人に一定のルールの下に使用を認めているに過ぎないのであれば、本制度の適用において「貸付けの用に供した場合」に該当しないと取り扱われるものと解されます。
    なお、賃貸人による自社使用部分がない建物に係る建物附属設備については、一般的にはその全てを「貸付けの用に供した」ことになります。

    (注) 賃貸借契約書に賃貸借の目的物として記載されていない場合のほか、賃貸借契約書に添付される「平面図」等により賃貸借の目的となっていないことが明らかである場合を含みます。

  • 3  本件についてみると、賃貸借契約書に記載されている賃貸借の目的物は、貸室部分のみとされており、本件エレベーターは、賃貸借の目的物に含まれていません。
    また、本件エレベーターは、甲社、賃借人及び訪問者が使用するものであり、賃借人のみが専属的に使用する実態もありません。
  • 4  したがって、本件エレベーターについては、貸付けの用に供した場合には該当しないものと認められることから、他の要件を満たす場合には、その取得価額の全額について本制度の適用を受けることができます。

【関係法令通達】

租税特別措置法第42条の12の5
経済産業省関係産業競争力強化法施行規則第5条第1号

注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/27/18.htm

関連する質疑応答事例(法人税)

  1. 経費補償金等の仮勘定経理の特例
  2. 適格現物分配による資本の払戻しを行った場合の税務上の処理について
  3. いわゆる屋根貸し事業における環境関連投資促進税制(租税特別措置法第42条の5)の適用について
  4. 法人税基本通達9−6−1(4)に該当する貸倒損失(特定調停)
  5. 公益法人等が普通法人に移行する場合の法人税の取扱い(累積所得金額の計算における負債の帳簿価額)
  6. 底地同士を交換する場合の交換の圧縮記帳
  7. 法人税基本通達9−6−1(3)ロに該当する貸倒損失(特定調停)
  8. 債務超過である子会社が行う支援等についての経済合理性
  9. 中小企業者等が取得をした貨物運送用の小型自動車の中小企業投資促進税制(租税特別措置法第42条の6)の適用について
  10. 収用事業の施行に伴い残地上の施設の撤去新設をした場合の取扱い
  11. 特定調停における法人債務者の法人税法上の留意点
  12. 相続財産に含まれる株式が未分割である場合の使用人兼務役員の判定
  13. 解約返戻金のない定期保険の取扱い
  14. 特定調停において弁済期限の延長等が行われた場合
  15. 臨海工業地帯の赤松枯損被害に関する企業負担金
  16. 配当権利落後の売却株式に係る受取配当金等
  17. 私的整理手続により弁済期限を延長した金銭債権に係る貸倒引当金の取扱い
  18. 指定事業とその他の事業とに共通して使用される機械及び装置を取得した場合の震災特例法第17条の2の適用の可否
  19. 事業分量配当の対象となる剰余金
  20. 特定役員引継ぎ要件(みなし役員)の判定

項目別に質疑応答事例を調べる

当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。


戦略的に節税するための無料ツール

一括節税計算機
※所得を入力して、税目別に税額を一括比較する
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

 本サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

 本サイトでは掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
新着情報 RSS
01/29 生命保険で節税
02/08 所得税の延納(利子税)で節税
09/26 経営セーフティ共済で節税
02/22 役員報酬(事前確定届出給与)で節税
02/19 不動産(再建築費評点基準表)で節税
新着情報を見る
節税対策ブログ
02/13 所得税確定申告で誤りの多い12項目(2019年度版)
01/29 死亡退職金の受取人(役員退職慰労金規程と相続税)
02/22 所得税確定申告で誤りの多い事例とは
02/02 クレジットカードポイント等の税務処理
02/01 ふるさと納税特産品と株主優待の税務処理
節税対策ブログを見る
アクセス数
今日:66
昨日:346
ページビュー
今日:308
昨日:792

ページの先頭へ移動