生産性向上設備等を段階的に事業の用に供した場合の生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用について|法人税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
当社は、工場を建て替え、最新のめっき処理設備及び廃水設備を導入する投資計画(以下「本件投資計画」といいます。)を策定し、本件投資計画における投資利益率が15%以上となることが見込まれることにつき経済産業大臣の確認を受けました。
本件投資計画は、第1期工事(工期:平成26年10月〜平成27年1月)から第5期工事(工期:平成29年1月〜平成29年3月)までの複数事業年度にまたがる計画ですが、本件投資計画に記載された各建物、機械及び装置等は、その完成又は設置の都度、事業の用に供する予定です。
この場合において、事業の用に供した各建物、機械及び装置等は、本件投資計画の全てが終了する前においても、それぞれ事業の用に供した日の属する事業年度において租税特別措置法第42条の12の5《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》の適用を受けることができますか。
なお、これらの各建物、機械及び装置等はいずれも特定生産性向上設備等に該当します。
【回答要旨】
照会意見のとおり、適用を受けることができます。
(理由)
青色申告書を提出する法人が、指定期間内(※)に、特定生産性向上設備等の取得等をして、これを国内にあるその法人の事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度(以下「供用年度」といいます。)において、その特定生産性向上設備等につき特別償却又は税額控除の適用ができることとされています(措法42の12の5)。
また、特定生産性向上設備等とは、生産等設備を構成する機械及び装置、工具、器具及び備品、建物、建物附属設備、構築物並びに一定のソフトウエアで、産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等(注)に該当するもののうち、一定の規模以上のものとされています(措法42の12の5)。
※ 産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの期間をいいます。
(注) 産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等とは、商品の生産若しくは販売又は役務の提供の用に供する施設、設備、機器、装置又はプログラムであって、事業の生産性の向上に特に資するものとして経済産業省令で定めるもの(いわゆる「先端設備」又は「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」に該当するもの)とされています。
このうち、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」とは、本制度の対象となる設備のうち、法人(事業者)が策定した投資計画(投資利益率が15%以上(中小企業者等は5%以上)となることが見込まれるものであることにつき経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けたものに限ります。)に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠なものとされています(経済産業省関係産業競争力強化法施行規則5二)。
したがって、投資計画の全ての投資が完了したか否かにかかわらず、指定期間内に特定生産性向上設備等に該当する各建物、機械及び装置等の取得等をして、これを事業の用に供した場合には、供用年度において、特別償却又は税額控除の適用を受けることができます。
【関係法令通達】
租税特別措置法第42条の12の5
産業競争力強化法第2条第13項
経済産業省関係産業競争力強化法施行規則第5条第2号
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/27/17.htm
関連する質疑応答事例(法人税)
- マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定
- 役員の分掌変更に伴う増額改定(定期同額給与)
- 解散後引き続き役員として清算事務に従事する者に支給する退職給与
- 他人の建物について行った内部造作の減価償却の方法
- リボルビング方式の割賦販売に係る費用・収益の帰属時期
- 中小企業投資促進税制(租税特別措置法第42条の6)の特定生産性向上設備等の判定について
- 一定の水準を満たすものとして地方公共団体の証明を受けた認可外保育施設において公益法人等が行う育児サービス事業に係る収益事業の判定
- 貸倒引当金の繰入対象となる個別評価金銭債権の範囲について(法人預金者の有する預金の該当性)
- ゴルフ会員権が分割された場合の取扱い
- 配当権利落後の売却株式に係る受取配当金等
- 借地権と底地との交換に伴う圧縮記帳
- 公益法人が他の公益法人に土地を無償で貸し付けた場合の収益事業判定
- 非常用食料品の取扱い
- 経費補償金等の仮勘定経理の特例
- 事業者がISO9000を取得するために審査登録機関に支払う手数料の税務上の取扱いについて
- 生産性向上設備等を段階的に事業の用に供した場合の生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の適用について
- 事業分量配当の対象となる剰余金
- 法人税の中間(予定)税額の算出方法について
- 分割後に分割法人が解散することが予定されている場合における適格要件の判定について(共同事業要件)
- いわゆる「三角株式交換」に係る適格要件について
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。