生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の対象設備であることについての証明書を取得するため工業会等に対して支払った発行手数料の取扱いについて|法人税
[生産性向上設備投資促進税制(租税特別措置法第42条の12の5)の対象設備であることについての証明書を取得するため工業会等に対して支払った発行手数料の取扱いについて]に関する質疑応答事例。
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
当社は、産業競争力強化法の生産性向上設備等のうちいわゆる先端設備である機械及び装置を取得したことから、租税特別措置法第42条の12の5《生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》の生産性向上設備投資促進税制の適用を受けたいと考えております。
当社は、取得した機械及び装置が、生産性向上設備等のうちいわゆる先端設備であることについて、A工業会の証明書の発行を受け、その発行手数料として3,000円を支払いました。
この証明書の発行手数料については、当該先端設備の取得価額に含めるとともに、生産性向上設備投資促進税制における法人税額の特別控除の適用対象となると解してよろしいでしょうか。
【回答要旨】
お尋ねの発行手数料は、先端設備の取得価額には含まれないため、法人税額の特別控除の適用対象となりません。
なお、その支出した事業年度の費用として損金の額に算入されます。
(理由)
- 1 租税特別措置法第42条の12の5第1項に規定する特定生産性向上設備等とは、生産等設備を構成する機械及び装置等で産業競争力強化法第2条第13項に規定する生産性向上設備等に該当するもののうち、一定の規模以上のものをいいます。
また、同項に規定する生産性向上設備等とは、商品の生産若しくは販売又は役務の提供の用に供する施設、設備、機器、装置又はプログラムであって、事業の生産性の向上に特に資するものとして経済産業省令で定めるもの(いわゆる「先端設備」又は「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」に該当するもの)をいいます(産業競争力強化法2、経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(以下「経産省強化法規則」といいます。)5)。
この「先端設備」とは、次のイ及びロの要件をいずれも満たす経産省強化法規則第5条第1号に規定する指定設備(以下「指定設備」といいます。)とされています(経産省強化法規則5一)。- イ 最新モデル要件(指定設備ごとに販売開始年度内で最新モデル又は販売開始年度が取得等年度若しくはその前年度であるモデルであること)
- ロ 生産性向上要件(旧モデル比で生産性指標(生産効率、エネルギー効率、精度等をいいます。)が年平均1%以上向上していること)
- 2 購入した減価償却資産の取得価額は次のイ及びロの合計額とされています(法令54一)。
- イ 当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
- ロ 当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額
- 3 ご質問の趣旨は、A工業会から証明書の発行を受けた際に支出した手数料の額が、資産の購入のために要した費用(上記2イ括弧書)又はその資産を事業の用に供するために直接要した費用(上記2ロ)に該当し、資産の取得価額に算入すべきものかという点にあるものと思われます。
この点、各工業会等が発行する証明書は、ある指定設備が「先端設備」の要件を満たすことを各工業会等が証明する書類であり、本税制の適用を受けられる指定設備であることの参考資料であることからすれば、本証明書の発行手数料は、上記及びのいずれの費用にも該当しないため、資産の取得価額には含まれず、支出した事業年度の損金の額に算入されることとなります。したがって、本税制における法人税額の特別控除の適用対象とはなりません。
【関係法令通達】
- 法人税法施行令第54条第1項第1号
- 租税特別措置法第42条の12の5
- 産業競争力強化法第2条第13項
- 経済産業省関係産業競争力強化法施行規則第5条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/23/08.htm
関連する質疑応答事例(法人税)
- 過大役員給与の判定基準
- ドア自動管理装置の耐用年数
- リボルビング方式の割賦販売に係る費用・収益の帰属時期
- 外国の地方公共団体が課す罰金について
- 経営危機に陥っていない子会社等に対する支援
- いわゆる「三角合併」における合併法人が保有する親法人株式に係る課税関係について
- 交換と売買とが併せて行われた場合の取扱い
- 親会社が毎期行う貸付債権の一部放棄による経済的利益の供与
- 売買とされるPFI事業について(法人税の取扱い)
- 少額の広告宣伝用資産の一時償却
- 特別償却の適用を受ける機械の引取運賃、据付費
- 定期給与の額を改定した場合の損金不算入額(定期同額給与)
- 企業再生税制の対象となる私的整理とそれ以外の私的整理における税務上の取扱いの違い
- 子会社等の範囲(2)
- 仮決算中間申告における前期末の貸倒引当金等の益金算入の要否
- 中小企業投資促進税制(租税特別措置法第42条の6)の特定生産性向上設備等の判定について
- 合理的な整理計画又は再建計画とは
- 保証人がいる場合の貸倒れ
- 特定調停において利息の棚上げが行われた場合
- 自走式クローラダンプの耐用年数
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。