青色申告(所得税:推計課税の禁止)で節税
青色申告(所得税:推計課税の禁止)で節税する。恣意的な推計課税を避けることができますが、青色申告の承認の取消しに注意を払う必要があります。

信託終了後に信託財産に係る損害賠償金を受益者に分配した場合|源泉所得税

[信託終了後に信託財産に係る損害賠償金を受益者に分配した場合]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 A信託銀行が受託していた公社債投資信託には、米国法人B社の社債で運用していたものがあり、信託期間中にB社の経営破たんにより同社債の価額が下落したため、公社債投資信託の償還時に元本割れとなりました。
 このB社の経営破たんにより生じた損失について、A信託銀行は、その公社債投資信託の清算終了後に、米国の集団訴訟制度であるクラスアクションに参加した結果、B社から損害賠償金を受領しました。
 A信託銀行が、受領した損害賠償金をその公社債投資信託の信託終了時の受益者に対して分配した場合、この分配金の課税関係はどうなりますか。

【回答要旨】

 受益者が受領した信託期間満了時の償還金と分配金の合計額が、元本に達するまでの金額については元本の返還に当たり、課税関係は生じません。また、元本を超える部分については、公社債投資信託の収益の分配に当たり、利子所得として源泉徴収を要します。

 信託財産に属する財産の管理、処分、滅失、損傷その他の事由により受託者が得た財産は、信託財産に属するとされています(信託法第16条)。この「受託者が得た財産」については、信託財産から生じて受託者が得た財産を意味し、信託終了後に訴訟参加し、その結果受領した損害賠償金であっても、その損害賠償請求権が信託財産に生じた損害に基づくものである場合には、信託財産に属すると解されます。
 また、信託は、その信託が終了した場合においても、清算が結了するまではなお存続するものとみなされます(信託法第176条)。清算受託者は、その職務を終了したときは、信託事務に関する最終計算を行い、受益者等がその最終計算を承認したときは、原則として清算受託者のその受益者に対する責任はこれにより免除されたものとみなされます(信託法第184条)が、清算受託者の責任が免除されるのは、承認の対象となった計算に表れた部分(計算書類から知り得べき事項)に限られると解されます。
 したがって、信託終了に伴う信託財産の交付等の事務が結了したものと判断され、最終計算及びその承認がなされた後に、一定の信託財産が発生したときには、なお信託は存続していたことになり、その発生した信託財産は、信託の終了のプロセスに従って交付されるべきことになります。
 照会の損害賠償金は、信託財産(B社社債)から生じた信託財産であり、その発生した信託財産について清算が行われるまでは、その信託はなお存続していることになり、受益者は、約款に従って分配金を受領することとなります。この場合、信託期間満了時の償還金と分配金の合計額が、元本の額に達するまでの金額は元本の返還となり、元本の額を超える部分の金額は、利子所得としてA信託銀行が源泉徴収義務を負います(所得税法第2条第1項第15号、第23条第1項、租税特別措置法第3条第1項)。

【関係法令通達】

 所得税法第2条第1項第15号、第23条第1項、租税特別措置法第3条第1項、信託法第16条、第176条、第184条

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/02/13.htm

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