請求人が敷金を返還した事実は認められないから、当該敷金相当額は請求人の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきである旨の原処分庁の主張を排斥した事例(平成22年分〜平成24年分の所得税の過少申告加算税の各賦課決定処分、平成22年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成23年分〜平成24年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却、一部取消し・平成27年11月4日裁決)
[所得税法][収入金額][収入金額の計算]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2015/11/00 [所得税法][収入金額][収入金額の計算]《要旨》 原処分庁は、請求人が賃貸物件の賃借人から受け取った敷金(本件敷金)を返還した事実は認められないこと等から、本件敷金相当額は請求人の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきものである旨主張する。
しかしながら、本件敷金について、賃借人は、賃貸物件の賃料を滞納して請求人からその明渡し等を求められ、賃貸借契約を合意解除すること、所定の期限までに物件を明け渡すこと、明渡し後の残置動産の処分には異議を申し立てないこと等を主な内容とし、他に何らの債権債務がないことを相互に確認する旨のいわゆる清算条項が付された和解に応じ、これにより請求人の賃借人に対する敷金返還債務は存在しないことが確認されているところ、当該和解の内容を考慮すると、本件敷金は、実質的には全て賃借人が負担すべき賃料、賃料相当損害金その他賃借人が負担すべき費用に充てられたものと認めることができ、本件敷金について、請求人に経済的利益はないから、総収入金額に算入すべきとはいえない。
《参照条文等》 所得税法第26条、第36条
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人が敷金を返還した事実は認められないから、当該敷金相当額は請求人の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入すべきである旨の原処分庁の主張を排斥した事例(平成22年分〜平成24年分の所得税の過少申告加算税の各賦課決定処分、平成22年分の所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成23年分〜平成24年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却、一部取消し・平成27年11月4日裁決)
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