地元神社の改築資金の寄付は、会社役員(社主)が実行し、その資金を営利法人たる請求人が提供したものと認定した事例
裁決事例(国税不服審判所)
1990/01/30 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][役員報酬、賞与及び退職給与][役員賞与]裁決事例集 No.39 - 275頁
寄付の目的が、社主及びその父が生来崇拝してきた地元神社の改築資金の大部分を負担するものであること神社の氏子・信徒の広がりは、その地域に限定されていること宗教等の喜捨は、自然人に期待されるものであること芳名碑及び顕彰之碑には、社主の個人名が刻され感謝状も社主個人に与えられたこと、また、募金者側は、個人の篤行に感謝の念を抱くものであること寄付金の額が多額で、募金総額の大部分を占めることその支出決定は、社主の敬神崇祖の念に由来すること社主の寄付申出の確言は、取締役会の決議時期よりもかなり早くなされ、その確言により、神社の奉賛会が結成され、神社改築工事に着手したものであるからその支出決定は、社主個人の判断と認められること取締役会の決議は、本件寄付金をするかどうかというよりも、その資金負担について承認したものと認められること等の事実からすれば、営利法人たる請求人がしたものとしては、あまりにも高額で不自然であり、社主個人が寄付を実行し、請求人が代わってその資金を提供したものと認めるのが相当である。
平成2年1月30日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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