法人の税額控除(研究開発)で節税
法人の税額控除(研究開発)で節税する。試験研究費や中小企業技術基盤強化税制に関する税額控除について。

当初から所得を過少に申告するとの意図を外部からうかがい得るような特段の行為をしたとまでいうことはできないとして重加算税の賦課要件を満たさないとした事例

[国税通則法][附帯税][重加算税][隠ぺい、仮装の認定]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

2008/12/18 [国税通則法][附帯税][重加算税][隠ぺい、仮装の認定]

裁決事例集 No.76 - 42頁

 原処分庁は、FX取引に係る所得の申告義務等については、FX取引先の顧客に対する周知状況からみて、請求人は認識し得る状況にあったこと、FX取引に係る雑所得の金額が、請求人の各年分の給与所得の金額の約14倍から16倍と請求人にとって多額の金額となること、及び請求人は平成18年分の給与所得者に係る年末調整に際し、住宅借入金等特別控除申告書の「年間所得の見積額」欄を空欄のまま勤務先に提出していることなどの一連の行為をもって、請求人が、本件FX取引に係る真実の所得金額を隠ぺいすることを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をし、その意図に基づいた過少申告をしたとし、これらの行為を総合勘案すれば、重加算税の課税要件を充足している旨主張する。
 しかしながら、請求人はFX取引に係る所得の申告義務について、FX取引先からの利用マニュアル及びホームページ上において知ることが可能であったこと、また、請求人のパソコンでFX取引事績を確認すれば売買損益を知ることができたことから、FX取引に係る所得の申告義務及び多額の所得があったことについては認識していたのではないかという疑いも存するものの、FX取引に係る税務上の取扱いについて、請求人が税理士等の専門家に相談したといった事実は認められず、また、当審判所の調査等により把握した本件事実関係の下においては、当初申告当時、請求人は、FX取引に係る所得について、株式の売買等の場合と同様に、源泉分離課税であると誤解していた可能性も否定できず、請求人が当初から所得を過少に申告する意図を明らかに有していたことまでは認められない。
 また、請求人が、年末調整に際し、住宅借入金等特別控除申告書の「年間所得の見積額」欄を空欄のまま勤務先に提出した行為についても、仮に請求人がFX取引に係る所得が源泉分離課税であると誤解していたとすれば、同欄を空欄にして提出する可能性もあり得るのであり、そのような事実をもって、当初から所得を過少に申告するとの意図を外部からうかがい得るような特段の行為をしたとまでいうことはできない。
 そのほか、請求人には、原始資料等をあえて散逸したり、虚偽の答弁、虚偽資料を提出するなど調査に非協力であったという事実もないことからすれば、原処分庁が主張する事実をもって、直ちに、請求人が当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行為をした上で、その意図に基づいて過少申告をしたものということはできない。
 さらに、当審判所の調査その他本件に関する資料をもってしても、請求人に真実の所得を隠ぺい又は仮装したものと評価すべき行為や事実の存在があったものと認めることはできず、他にこれと異なる認定をするに足る証拠もない。
 したがって、請求人が、国税通則法第68条第1項に規定する「国税の課税標準等又は税額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺいし、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出」した場合には該当しないというべきである。

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
当初から所得を過少に申告するとの意図を外部からうかがい得るような特段の行為をしたとまでいうことはできないとして重加算税の賦課要件を満たさないとした事例

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