延納許可期間の計算の基礎となる取得財産の価額のうちに占める不動産等の価額の割合が再度の遺産分割協議によって増加しても延納許可期間は変更されないとした事例
裁決事例(国税不服審判所)
2005/03/30 [消費税法][申告、更正の請求の特例] 請求人は、[1]当初分割協議書は他の共同相続人と按分すべきであった立替金100百万円及び割引債券6口を請求人の取得財産とした重大な瑕疵があり、錯誤によるものであるから、当初分割協議書を基になされた本件更正処分は誤っており、税務署長は、通則法第24条の規定によって、再分割協議書に基づく、本件嘆願書にのっとった正当な更正処分をする義務があること、したがって、[2]本件延納許可処分は、誤った本件更正処分の内容(不動産等の割合0.45)に基づくものであるから、本件延納許可処分は、正当な再分割協議書に基づく本件嘆願書の内容(不動産等の割合0.508)にしたがって、延納許可期間を15年に変更するべきであること、を主張する。
しかしながら、[1]当初分割協議書には立替金100百万円及び割引債券6口が記載されていることは請求人も自認するところであり、当初分割協議書は本件相続人らの署名押印がなされていることで有効に成立しており、当初分割協議書に基づく本件更正処分に何ら違法とすべきものは認められない。そして、原処分庁が本件嘆願書によって通則法第24条に規定する更正を義務づけられるものではないから、本件更正処分は適法なものであることが認められる。また、[2]請求人の相続税の額は、本件更正処分の額をもって確定しており、本件延納許可処分の前提となる本件更正処分の違法を理由に、本件延納許可処分の変更を求めることはできない。そして、延納許可期間及びその算定の基礎となる基準については、相続税法第38条及び相続税法施行令第14条第3項の規定に基づき、延納を許可する時までに納付すべき税額の確定した相続税額の計算の基礎となった財産の価額を基準として計算することとなり、本件更正処分における不動産等の割合は0.45であるから、延納許可期間を5年とした本件延納許可処分は適法である。
平成17年3月30日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 延納許可期間の計算の基礎となる取得財産の価額のうちに占める不動産等の価額の割合が再度の遺産分割協議によって増加しても延納許可期間は変更されないとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(消費税法>申告、更正の請求の特例)
- 農地の売主死亡に係る相続税の課税財産につき、同売買に係る売買残代金請求権(債権)ではなく、農地と認めるのが相当であるとした事例
- 法定相続人である請求人が、自己のために相続の開始があったことを知った日は、遺留分減殺請求をした日ではなく、被相続人の死亡を知った日であるとした事例
- 贈与を受けた土地を贈与者に無償で使用させた場合のその土地の評価額は自用地の価額によるべきであるとした事例
- 相続税法基本通達13−3ただし書の定めにより、他の共同相続人の債務等超過分を請求人の課税価格から控除するためには、債務等超過分を控除することが可能な者の合意が必要であるとした事例
- 相続開始直前に行われた本件株式の売買は、仮装の売買と認められ、本件株式は相続財産であるとした事例
- 代償債権の評価に当たり、その一部は、回収が著しく困難であると認定した事例
- 判決によって給付を命じられた不当利得返還債務の額は相続税法第14条に規定する確実と認められる債務に該当するとした事例
- 贈与財産である取引相場のない株式を純資産価額方式で評価する場合において、当該株式の発行法人が有する営業権の価額は財産評価基本通達の規定により評価することが相当であるとした事例
- 真正な所有権者への名義の回復登記であると主張する贈与登記について、実質的にも贈与によるものであると認定した事例
- 相続人以外の者が市街化調整区域内の農地の特定遺贈を受けた場合において、受遺者の責めに帰さない事情により当該農地が非農地化されたときには、農地法上の許可を受けていなくても、非農地となった時点において所有権移転の効力が生ずるというべきであるから、受遺者については、その非農地化の事実を知った日をもって相続税法第27条第1項に規定する「相続開始があったことを知った日」と解すべきであるとした事例
- 競走馬の譲渡価額のうち正常価額を超える部分の金額は贈与に当たるとした事例
- 請求人は、資力を喪失していないので、相続税法第8条ただし書の適用ができないとした事例
- 類似業種比準方式における1株当たりの利益金額の計算上、匿名組合契約に係る分配金は非経常的な利益ではないから法人税の課税所得金額から控除すべきではないとした事例
- 被相続人が毎年一定額を入金していた未成年の子名義の預金口座に係る預金は相続財産に含まれないと認定した事例
- 借地人に対する立退料支払債務は、確実と認められる債務といえ、債務控除の対象になると認められるが、借地権の引渡請求権(立退料の金額と同額)が相続財産となるので相続税の課税価格は減額されないとした事例
- 相続税法施行令第8条第1号に規定する判決は、請求人が訴訟当事者である判決に限られるとした事例
- 土地上に建物を有していた被相続人が当該土地の所有者に対し地代として支払っていた金員は、当該土地の使用収益に対する対価であると認められないから、被相続人が当該土地上に借地権を有していたとは認めることはできないとした事例(平成24年10月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し・平成29年1月17日裁決)
- 将来において担保を提供する旨の誓約書の提出は相続税の延納申請の要件である担保の提供に該当しないとした事例
- 相続税法第32条第3号の「減殺の請求があったことを知った日」とは減殺の請求が調停、判決等で解決した場合にはその解決した日とした事例
- 相続人らの名義の株式等について、相続財産と認定した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。