請求人は、[1]当初分割協議書は他の共同相続人と按分すべきであった立替金100百万円及び割引債券6口を請求人の取得財産とした重大な瑕疵があり、錯誤によるものであるから、当初分割協議書を基になされた本件更正処分は誤っており、税務署長は、通則法第24条の規定によって、再分割協議書に基づく、本件嘆願書にのっとった正当な更正処分をする義務があること、したがって、[2]本件延納許可処分は、誤った本件更正処分の内容(不動産等の割合0.45)に基づくものであるから、本件延納許可処分は、正当な再分割協議書に基づく本件嘆願書の内容(不動産等の割合0.508)にしたがって、延納許可期間を15年に変更するべきであること、を主張する。
しかしながら、[1]当初分割協議書には立替金100百万円及び割引債券6口が記載されていることは請求人も自認するところであり、当初分割協議書は本件相続人らの署名押印がなされていることで有効に成立しており、当初分割協議書に基づく本件更正処分に何ら違法とすべきものは認められない。そして、原処分庁が本件嘆願書によって通則法第24条に規定する更正を義務づけられるものではないから、本件更正処分は適法なものであることが認められる。また、[2]請求人の相続税の額は、本件更正処分の額をもって確定しており、本件延納許可処分の前提となる本件更正処分の違法を理由に、本件延納許可処分の変更を求めることはできない。そして、延納許可期間及びその算定の基礎となる基準については、相続税法第38条及び相続税法施行令第14条第3項の規定に基づき、延納を許可する時までに納付すべき税額の確定した相続税額の計算の基礎となった財産の価額を基準として計算することとなり、本件更正処分における不動産等の割合は0.45であるから、延納許可期間を5年とした本件延納許可処分は適法である。
平成17年3月30日裁決
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