住宅として賃貸中の建物を譲渡目的で取得した場合には、仕入税額控除における個別対応方式では「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に区分されると判断した事例
[消費税法][税額控除等][仕入税額控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2005/11/10 [消費税法][税額控除等][仕入税額控除] 請求人は、本件各信託不動産(土地及び建物)に係る賃貸収入(住宅の貸付けに伴う賃貸収入)は、当該各不動産の取得に伴い付随的に生じたものにすぎず、当該各不動産の取得が当該各不動産の譲渡を目的とするものであることを妨げるものではないから、当該取得に係る課税仕入れは、消費税法第30条第2項第1号(個別対応方式)の適用に当たり、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に区分されるべき旨主張する。
しかしながら、請求人は、本件各信託不動産を、譲渡する目的だけでなく、その賃貸収入を得る目的を併せ持って取得したものであり、また、本件課税期間において、本件各信託不動産を取得した日から課税資産の譲渡等に該当しない当該各不動産に係る賃貸収入(住宅の貸付け)が生じている以上、本件各信託不動産に係る課税仕入れにつき、個別対応方式において、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に区分することはできず、「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に区分するのが相当であるから、請求人の主張には理由がない。
平成17年11月10日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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