外国の研究機関等に派遣される日本人研究員に対して支給される奨学金|所得税

[外国の研究機関等に派遣される日本人研究員に対して支給される奨学金]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 A委員会では、米国に留学する日本人等を対象とする奨学金制度を実施しています。
 この奨学金制度の一つに、日本人研究員を対象とする米国の研究機関等で単位取得を伴わない各自の研究テーマに沿った研究を行う研究員プログラムがあり、その参加者に対して、その研究期間のうち9か月間を限度として、3か月ごとに奨学金(以下「本件奨学金」といいます。)を給付することとしています。
 この場合の日本人研究員に支給される本件奨学金は、所得税法第9条第1項第15号に規定する「学資に充てられるため給付される金品」として、非課税所得に該当しますか。
 なお、A委員会と日本人研究員との間に雇用関係はなく、また、米国での滞在期間は1年以内を予定しています。
 (注) A委員会は、奨学金の使途についての報告を求めておりません。

【回答要旨】

 本件奨学金は、雑所得となります。

 学資に充てるため給付される金品(以下「学資金」といいます。)は、給与その他対価の性質を有するものを除き、非課税とされています(所得税法第9条第1項第15号)。
 ここでいう、学資金とは、一般に、学術又は技芸を習得するための資金として父兄その他の者から受けるもので、かつ、その目的に使用されるものをいいます。
 本件奨学金については、大学や研究機関等において研究者等の地位にある者が、その研究内容や専門的知識を更に発展させるために米国の研究機関等において研究を行うためのもの、すなわち学術の研究のためのものであって、学術又は技芸を習得するための費用に充てられるものとは認められないことから、非課税とされる学資金には該当しません。
 したがって、本件奨学金は、利子所得配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得退職所得、山林所得及び譲渡所得のいずれにも該当せず、また、支給方法等からみて一時の所得にも該当しないことから、雑所得となります(所得税法第35条)。

(参考) 仮に本件奨学金の給付を受ける研究員が非居住者に該当する場合には、本件奨学金は所得税法第161条各号に掲げる国内源泉所得のいずれにも該当しないことから、我が国において課税対象とはなりません。

【関係法令通達】

 所得税法第9条第1項第15号、第35条、第161条

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/02/38.htm

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当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。


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