外国の銀行への預金から生じる利子|消費税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
当社はアメリカからの輸入商品の販売を事業内容とする法人(アメリカに事業所を有していない。)であり、輸入商品の代金決済のためにアメリカ国内の銀行(日本国内に支店等を有していない。)に預金口座を開設し、ドル預金を行っています。
この外国預金口座から生ずる預金利息に対する消費税の取扱いはどのようになるのでしょうか。
【回答要旨】
預金の預入れについては非課税とされていますが(法別表第一3、令10一)、事業者が国内において非課税資産の譲渡等を行った場合において、その非課税資産の譲渡等が消費税法第7条第1項《輸出免税等の範囲》各号に掲げる資産の譲渡等(以下「輸出取引等」という。)に該当するものである場合には、その非課税取引について輸出取引等であることにつき証明がされたときには、その非課税取引は課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定を適用することとされています(法31)。
預金の預入れが国内で行われたかどうかの判定は、預金の預入れを行う者の当該預金の預入れに係る事務所の所在地が国内にあるかどうかにより行うものとされています(令6)。質問の場合には、貴社が外国預金口座に預金を預け入れているものであり、貴社の事務所の所在地は国内であることから、当該預入れは国内取引に該当し、当該外国預金口座に係る利息については非課税資産の譲渡等に係る対価の額に該当することになります。
また、預金の預入れのうち、その債務者が非居住者であるものについては、消費税法第31条《非課税資産の輸出等を行った場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の適用に当たっては、ここでいう輸出取引等に該当することとされていますから(令17)、外国口座に預金を預け入れる行為は輸出取引等にも該当します。
この輸出取引等に該当するものの対価の額は、課税売上割合の計算にあたっては課税資産の譲渡等の対価の額に含まれることとされていますので(令51)、照会の外国預金口座から生ずる利息の金額については、課税資産の譲渡等の対価の額とみなして、課税売上割合を計算することになります。
【関係法令通達】
消費税法第7条第1項、第30条、第31条、消費税法施行令第6条第3項、第10条第3項第1号、第17条第3項、第51条第2項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/17/05.htm
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