当初の決算を変更し、変更後の決算において新たに貸倒引当金の繰入損等の損失を計上したことは確定決算で損金経理をしたことにならないとした事例
[法人税法][所得金額の計算][引当金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1984/07/04 [法人税法][所得金額の計算][引当金]裁決事例集 No.28 - 241頁
請求人は、申告後の臨時株主総会で承認された新計算書類において新たに損金経理が要件とされる貸倒引当金の繰入損等の損失を計上しているが、法人税法上当初決算を修正、変更した後の決算を「確定した決算」とみるかどうかについては、商法の規定による決議の無効若しくは決議の取消しに基づく決算の変更又は行政官庁の命令等特別な事由に基づく決算の変更があった場合以外には法人税法上の「確定した決算」は、依然として当初の決算を指すものと解されるところ、本件はこれら特別な事由に基づく決算の変更ではないから、請求人が新計算書類において、これらの損失を計上しても損金経理要件を充足したことにならない。
昭和59年7月4日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 当初の決算を変更し、変更後の決算において新たに貸倒引当金の繰入損等の損失を計上したことは確定決算で損金経理をしたことにならないとした事例
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