本件土地の譲渡価額と時価との差額が生ずることについて合理的な理由があるとは認められないから、その差額は寄付金に該当するとした事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1991/05/29 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]裁決事例集 No.41 - 229頁
原処分庁が採用した取引事例の譲渡価額は、本件土地に隣接し、かつ、大規模地であり本件土地との類似性は高く、当該取引事例を基に時点修正して時価を算定した原処分には合理性がある。本件土地は当該取引事例地よりも街路条件及び交通・接近条件で優れていること及び実測面積よりも少ない公簿面積によって原処分庁の時価算定が行われていることを考慮すると、本件土地の時価は、原処分庁の算定時価を上回るものと推認され、原処分庁の認定した時価は相当である。
法人税法第37条第6項に規定するいわゆる低額譲渡の場合における「実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額」とは譲渡の対価の額と時価との差額が生ずること(無償性)について、合理的な理由が認められない場合のその差額をいうものと解されるところ、本件土地の時価と譲渡価額とに差額が生じることについて合理的な理由があるとは認められないから、この差額は寄付金に該当する。
平成3年5月29日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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