第56条関係 還付|国税通則法
基本通達(国税庁)
還付
(国税にかかる過誤納金)
1 この条第1項の「国税に係る過誤納金」とは、国税として納付された金額の超過納付額および納期の開始前における国税としての納付額(予納として納付されたものを除く。)をいう。
(注) 上記の納付には、印紙納付および物納も含まれることに留意する。
(源泉徴収等による国税の過誤納金の還付)
2 源泉徴収等による国税の過誤納金は、法令に別段の定めがある場合を除き、その国税を納付した源泉徴収義務者または特別徴収義務者に還付するものとする。
(第二次納税義務者への還付)
3 通則令第22条第1項「第二次納税義務者」には、徴収法第24条第1項の規定の適用を受ける譲渡担保権者を含むものとする。
なお、2人以上の第二次納税義務者が納付した国税につき生じた過誤納金は、それぞれの者が納付した額に応じてあん分して計算した額をそれぞれの者に還付するものとする。
(国税の保証人または第三者の納付にかかる過誤納金の還付)
4 国税の保証人および通則法第41条第1項(第三者の納付)に規定する第三者が納付した国税につき生じた過誤納金は、納税者に還付するものとする。
なお、国税の保証人が納付時における保証債務の額をこえて納付したことによる過誤納金は、その保証人に還付するものとする。
(連帯納税義務者への還付)
5 2人以上の連帯納付義務者(納付責任を負う相続人を含む。)が納付した国税につき生じた過誤納金は、最後に納付した金額から順次さかのぼって求めた金額を、その納付した者にそれぞれ還付するものとする。この場合、その過誤納金で納付の日を同じくする国税にかかるものについては、それぞれの者が納付した額に応じてあん分して計算した額を、それぞれの者に還付するものとする。
(相続人への還付)
6 還付を受けるべき者につき相続があった場合において、その相続人が2人以上あるときの還付金等は、次により還付するものとする。
(1) 還付金等について遺産の分割がされていないときは、その還付金等は、民法第900条から第903条まで(法定相続分等)に規定する相続分に応じてあん分して計算した額を、それぞれの相続人に還付する。
(2) 還付金等について遺産の分割がされているときは、その分割されたところによりそれぞれの相続人に還付する。
(無能力者への還付)
7 還付を受けるべき者が無能力者である場合においても、その者に還付するものとする。ただし、その者の法定代理人が明らかであるときは、還付を受けるべき者を明示したうえでその法定代理人に還付するものとする。
(破産者等への還付)
8 還付を受けるべき者に次に掲げる事実が生じた場合には、その還付金等(1の場合は破産財団に属するものに限る。)は、還付金を受けるべき者を明示したうえで次に掲げるそれぞれの者に還付するものとする。
(1) 破産の宣告があった場合その破産管財人
(2) 相続人不存在のため相続財産管理人が選任された場合その相続財産管理人
(3) 不在者の財産管理人が置かれた場合その財産管理人
(4) 会社に整理開始の命令があり管理人が選任された場合その管理人
(5) 会社更生手続の開始申立があった場合において、保全管理人が選任された場合その保全管理人
(6) 会社更生手続の開始決定があった場合その管財人
(7) 企業担保権の実行手続の開始決定があった場合その管財人
(還付金等の譲受人への還付)
9 還付金等の請求権が譲渡され、民法第467条第1項(指名債権譲渡の対抗要件)の規定による通知があった場合には、その事実を確認し、その譲渡にかかる還付金等は、その譲受人に還付する。
なお、この場合、その譲渡が確定日附のない譲渡通知によってされ、その支払までの間に確定日附のある譲渡通知があったときは、確定日附のある証書にかかる譲受人に還付する。
(強制執行がされた還付金等の取扱い)
10 還付金等の請求権が強制執行により差押えられた場合において、その還付金等を差押債権者に還付するときは差押債権者の債権及び執行費用の額に相当する額を、その還付金等を供託するときはその全額を、それぞれ還付又は供託する(民事執行法第155条第1項、第156条第1項参照)。
なお、次に留意する。
(1) 差押えに係る還付金等の請求権のうち差押えられていない部分を超えて発せられた差押命令又は仮差押命令の送達を受けた場合は、その還付金等の請求権の全額に相当する額の金銭を供託しなければならない(民事執行法第156条第2項参照)
(2) 差押えに係る還付金等の請求権のうち差押えられていない部分を超えて滞納処分(滞納処分の例による処分を含む。以下12において同じ。)による差押えがされた場合は、その還付金等の請求権の全額に相当する額の金銭を供託しなければならない(調整法第36条の6第1項参照)。
(3) 配当要求があった旨を記載した文書の送達を受けた場合は、その還付金等の請求権のうち差押えられた部分に相当する額の金銭は供託しなければならない(民事執行法第156条第2項参照)。
(注)
1 差押えに係る還付金等を差押債権者へ還付する場合は、債務者に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したときに行う。
2 差押えに係る還付金等の請求権について転付命令の送達を受けた場合は、転付命令が確定したときにその転付命令の券面額に相当する還付金等を転付債権者に還付する(民事執行法第159条、第160条参照)。
(仮差押えの執行がされた還付金等の取扱い)
11 還付金等の請求権について仮差押えの執行がされた場合には、仮差押期間(第58条関係(還付加算金)の11(仮差押期間)に定める期間をいう。)中は、その還付金等を供託しない取扱いとする。
ただし、仮差押えの執行に係る還付金等の請求権のうち仮差押えの執行がされていない部分を超えて発せられた差押命令の送達を受けたときは、その還付金等の請求権の全額に相当する額の金銭を供託しなければならないことに留意する(民事執行法第178条第5項・第156条第2項参照)。
(滞納処分がされた還付金等の取扱い)
12 還付金等の請求権が滞納処分により差押えられた場合には、差押えに係る還付金等の請求権のうち差押えられた部分に相当する額は、差押債権者に還付する。
なお、滞納処分による差押えに係る還付金等の請求権のうち差押えられていない部分を超えて発せられた差押命令又は仮差押命令の送達を受けたときも、同様に取扱うものとする。
ただし、還付金等の請求権について、順次滞納処分による差押え、強制執行による差押え及び滞納処分による差押えがされた場合で、当初の滞納処分による差押えがされていない部分について後の二つの差押えが10の(2)と同様の事情にあるときは、その部分に相当する額の金銭を供託しなければならないことに留意する(調整法第36条の6第1項かっこ書参照)。
還付金等の引継ぎ
(納税地に異動があった場合の引継ぎ)
13 留保還付金がある場合において、その還付金の基因となる国税の納税地に異動があったときは、異動後の納税地を所轄する税務署長に還付金の引継ぎをするものとする。
(充当のための引継ぎ)
14 還付を受けるべき者につき、他の国税局長または税務署長が徴収する国税があることが明らかなときは、その国税局長等に還付金等の引継ぎをするものとする。
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/tsusoku/00.htm
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