〔一括評価による繰入れ(第2項関係)〕|所得税法
基本通達(国税庁)
(裏書譲渡をした受取手形)
52−16 事業の遂行上生じた売掛金、貸付金等の金銭債権について取得した受取手形につき裏書譲渡をした場合には、当該受取手形に係る既存債権が法第52条第2項に規定する貸金(以下52−22までにおいて「貸金」という。)に該当するものとして取り扱う。(平11課所4−1改正)
(注) 金融業等を営む者が当該事業の遂行上裏書譲渡により取得した受取手形(手形法第18条第1項本文《取立委任裏書》又は同法第19条第1項本文《質入裏書》に規定する裏書により取得したものを除く。)でその取得の原因が既存債権と関係のないものを裏書譲渡をした場合には、その受取手形の金額は、貸金の額に該当しないこととなる。
(貸金に該当しない金銭債権)
52−17 次に掲げるようなものは、事業所得を生ずべき事業の遂行上生じたものであっても貸金には該当しない。(昭57直所3−1、昭60直所3−21、直資3−5、昭63直法6−7、直所3−8、平11課所4−1、平12課所4−30改正)
(1) 保証金、敷金(土地、建物等の賃借等に関連して無利息又は低利率で提供した建設協力金等を含む。)、預け金その他これらに類する金銭債権
(2) 手付金、前渡金等にように資産の取得の代価又は費用の支出に充てるものとして支出した金額
(3) 前払給料、概算払旅費、前渡交際費等にように将来精算される費用の前払として一時的に仮払金、立替金等として支出した金額
(4) 雇用保険法、雇用対策法、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定に基づき交付を受ける給付金等の未収金
(5) 仕入割戻しの未収金
(注) 仮払金等として計上されている金額については、その実質的な内容に応じて貸金に該当するかどうかを判定することに留意する。
(実質的に債権とみられないもの)
52−18 令第145条第1項《貸倒に係る貸倒引当金勘定への繰入限度額》かっこ内に規定する「当該貸金に係る債務者から受け入れた金額があるためその全部又は一部が実質的に債権とみられないもの」には、債務者から受け入れた金額と相殺適状にある債権だけでなく、債務者から受け入れた金額と相殺的な性格をもつ債権及び債務者と相互に融資している場合などのその債務者から受け入れた金額に相当する債権も含まれるのであるから、次に掲げるような金額は、貸金の額に含まれない。(平11課所4−1改正)
(1) 同一人に対する売掛金又は受取手形と買掛金又は支払手形がある場合のその売掛金又は受取手形の金額のうち、買掛金又は支払手形の金額に相当する金額
(2) 専ら融資を受ける手段としては他から受取手形を取得し、その見合いとして借入金を計上し、又は支払手形を振り出した場合のその受取手形の金額のうち、借入金又は支払手形の金額に相当する金額
(3) 52−9の(2)から(7)までに掲げる場合に該当する貸金の額のうち、それぞれ52−9の(2)から(7)までに掲げる額に相当する金額
(実質的に債権とみられないものの簡便計算を適用できる場合)
52−18の2 令第145条第2項の規定は、平成27年及び平成28年の各年分の所得税につき青色申告書の提出の承認を受けていたかどうか、又は貸倒引当金勘定を設けていたかどうかに関係なく適用があることに留意する。(平11課所4−25改正、平27課個2-11、課法10-16、課審5-7改正)
(延払基準を適用した場合の未収金等)
52−19 延払条件付販売等に該当する資産の販売等に係る収入金額及び費用の額につき延払基準の方法により経理している場合には、当該延払条件付販売等により生じた未収金等は、貸金に該当するものとする。この場合において、その年中に履行期日が到来しない部分を未収金等としないで棚卸資産等として経理しているときであっても、その棚卸資産等として経理している金額を貸金の額とするものとする。(平11課所4−1改正)
(リース取引に係る貸金)
52−19の2 法第67条の2第1項により売買があったものとされたリース取引(同条第3項に規定するリース取引をいう。)に係るリース料のうち、その年12月31日において支払期日の到来していないリース料の額の合計額は貸金に該当するものとする。(平19課個2−31、課審4−44改正)
52−20 削除(平成20課個2-17、課審4-186、課法9-3改正)
(返品債権特別勘定を設定している場合の貸金の額)
52−21 返品債権特別勘定を設定している場合には、貸金の額は、その年12月31日における返品債権特別勘定の金額に相当する金額を控除した金額による。(平11課所4−1改正)
(返品調整引当金勘定を設定している場合の貸金の額)
52−22 返品調整引当金勘定を設定している場合には、貸金の額は、当該返品調整引当金勘定の金額に相当する金額を控除しないところによる。(平11課所4−1改正)
(青色申告の承認を受けている者等の範囲)
52−23 令第146条《貸倒引当金勘定への繰入れが認められない場合》及び第147条第2号《死亡の場合の貸倒引当金勘定の金額の処理》に規定する「青色申告書を提出することについて税務署長の承認を受けているもの」又は「法第144条(青色申告の承認の申請)の申請書を提出したもの」とは、その死亡の日の属する年分の所得税につき、その被相続人についての準確定申告書(法第125条《年の中途で死亡した場合の確定申告》に規定する申告書をいう。以下同じ。)の提出期限(その相続人についての当該年分の確定申告書の提出期限が先に到来する場合には、当該提出期限とし、これらの期限が到来する前に被相続人についての準確定申告書を提出する場合には、その提出の日とする。以下52−24までにおいて「準確定申告書の提出期限」という。)現在において当該承認を受けている者又は当該申請書を提出している者(準確定申告書の提出期限までにその申請を却下された者を除く。)をいうものとする。(平11課所4−1改正)
(注) 青色申告者の業務を相続した相続人が提出する青色申告の承認申請書の提出期限については、144−1参照
(相続人の青色申告の承認の取消し等があった場合)
52−24 令第147条第2号に規定する相続人が、準確定申告書の提出期限後に被相続人の死亡の日の属する年分の所得税につき青色申告の承認を取り消され、又は青色申告の承認申請を却下された場合であっても、被相続人についての法第52条第2項本文の規定の適用があり、当該相続人についての令第147条の規定の適用があることに留意する。(平11課所4−1改正)
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/01.htm
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