第1款 共通事項|法人税法
基本通達(国税庁)
(公益法人等の本来の事業が収益事業に該当する場合)
15−1−1 公益法人等(人格のない社団等を含む。以下15−1−8を除き、この節において同じ。)が令第5条第1項各号《収益事業の範囲》に掲げる事業のいずれかに該当する事業を行う場合には、たとえその行う事業が当該公益法人等の本来の目的たる事業であるときであっても、当該事業から生ずる所得については法人税が課されることに留意する。(昭56年直法2−16「七」により追加、平5年課法2−1「十一」、平20年課法2−5「二十九」により改正)
(委託契約等による事業)
15−1−2 公益法人等の行う事業につき次に掲げるような事情がある場合には、その公益法人等が自ら収益事業を行っているものとして取り扱うことになるのであるから留意する。(昭56年直法2−16「七」により追加、平15年課法2−7「五十三」、平19年課法2−5「九」、平20年課法2−5「二十九」により改正)
(1) 公益法人等が収益事業に該当する事業に係る業務の全部又は一部を委託契約に基づいて他の者に行わせている場合
(2) 公益法人等が、収益事業に該当する事業を行うことを目的とする組合契約(匿名組合契約を含む。)その他これに類する契約に基づいて当該事業に関する費用及び損失を負担し、又はその収益の分配を受けることとしているため、実質的に自ら当該事業を行っていると認められる場合
(3) 公益法人等が受益者等課税信託の受益者(法第12条第2項《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》の規定により、同条第1項に規定する受益者とみなされる者を含む。)である場合において、当該信託に係る受託者における当該信託財産に係る事業が令第5条第1項各号《収益事業の範囲》に掲げる事業のいずれかに該当するとき
(共済事業)
15−1−3 公益法人等がいわゆる共済事業として行う事業についても、当該事業の内容に応じてその全部又は一部が収益事業に該当するかどうかの判定を行うことに留意する。(昭56年直法2−16「七」により追加)
(事業場を設けて行われるもの)
15−1−4 法第2条第13号《収益事業の意義》の「事業場を設けて行われるもの」には、常時店舗、事務所等事業活動の拠点となる一定の場所を設けてその事業を行うもののほか、必要に応じて随時その事業活動のための場所を設け、又は既存の施設を利用してその事業活動を行うものが含まれる。したがって、移動販売、移動演劇興行等のようにその事業活動を行う場所が転々と移動するものであっても、「事業場を設けて行われるもの」に該当する。(昭56年直法2−16「七」、平20年課法2−5「二十九」により改正)
(継続して行われるもの)
15−1−5 法第2条第13号《収益事業の意義》の「継続して……行われるもの」には、各事業年度の全期間を通じて継続して事業活動を行うもののほか、次のようなものが含まれることに留意する。(昭56年直法2−16「七」、平20年課法2−5「二十九」により改正)
(1) 例えば土地の造成及び分譲、全集又は事典の出版等のように、通常一の事業計画に基づく事業の遂行に相当期間を要するもの
(2) 例えば海水浴場における席貸し等又は縁日における物品販売のように、通常相当期間にわたって継続して行われるもの又は定期的に、若しくは不定期に反復して行われるもの
(注) 公益法人等が令第5条第1項各号《収益事業の範囲》に掲げる事業のいずれかに該当する事業(以下15−1−5において「特掲事業」という。)とこれに類似する事業で特掲事業に該当しないものとを行っている場合には、その行う特掲事業が継続して行われているかどうかは、これらの事業が全体として継続して行われているかどうかを勘案して判定する。
(付随行為)
15−1−6 令第5条第1項《収益事業の範囲》に規定する「その性質上その事業に附随して行われる行為」とは、例えば次に掲げる行為のように、通常その収益事業に係る事業活動の一環として、又はこれに関連して行われる行為をいう。(昭56年直法2−16「七」、平20年課法2−5「二十九」により改正)
(1) 出版業を行う公益法人等が行うその出版に係る業務に関係する講演会の開催又は当該業務に係る出版物に掲載する広告の引受け
(2) 技芸教授業を行う公益法人等が行うその技芸の教授に係る教科書その他これに類する教材の販売及びバザーの開催
(注) 教科書その他これに類する教材以外の出版物その他の物品の販売に係る収益事業の判定については、15−1−10に定めるところによる。
(3) 旅館業又は料理店業を行う公益法人等がその旅館等において行う会議等のための席貸し
(4) 興行業を行う公益法人等が放送会社に対しその興行に係る催し物の放送をすることを許諾する行為
(5) 公益法人等が収益事業から生じた所得を預金、有価証券等に運用する行為
(6) 公益法人等が収益事業に属する固定資産等を処分する行為
(収益事業の所得の運用)
15−1−7 公益法人等が、収益事業から生じた所得を預金、有価証券等に運用する場合においても、当該預金、有価証券等のうち当該収益事業の運営のために通常必要と認められる金額に見合うもの以外のものにつき収益事業以外の事業に属する資産として区分経理をしたときは、その区分経理に係る資産を運用する行為は、15−1−6にかかわらず、収益事業に付随して行われる行為に含めないことができる。(昭56年直法2−16「七」、平11年課法2−9「二十一」、平15年課法2−7「五十三」、平19年課法2−3「四十一」、平20年課法2−5「二十九」、平22年課法2−1「三十九」により改正)
(注) この場合、公益法人等(人格のない社団等並びに非営利型法人及び規則第22条の4各号に掲げる法人を除く。)のその区分経理をした金額については、法第37条第5項《公益法人等のみなし寄附金》の規定の適用がある。
(身体障害者等従事割合の判定)
15−1−8 公益法人等の行う事業につき令第5条第2項第2号《身体障害者等を雇用する場合の非課税》の規定の適用があるかどうかを判定する場合において、当該事業に従事する身体障害者等(同号イからヘまでに掲げる者をいう。以下15−1−8において同じ。)の数が当該事業に従事する者の総数の半数以上を占めるかどうかは、当該事業年度において当該事業に従事した者の延人員により判定するものとする。この場合には、当該事業に従事する身体障害者等のうちに一般の従業員に比し、勤務時間の短い者があるときにおいても、当該者については、通常の勤務時間当該事業に従事するものとしてその判定を行うことができる。(昭56年直法2−16「七」により追加、平6年課法2−1「九」、平20年課法2−5「二十九」により改正)
出典
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/01.htm
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