転勤命令後、家族が後から転居した場合の再適用の可否|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
昨年、勤務先から転勤命令があり、子供の通学の都合から、当面は、夫(住宅借入金等特別控除の適用者)のみが転居し、家族は引き続き居住してきました。
本年、子供が学校を卒業し、独立したことから、妻も夫の転居先に転居し、住宅借入金等特別控除の適用を受けていた家屋には誰も居住しないことになりましたが、将来、その家屋に再居住した場合、住宅借入金等特別控除の再適用を受けることができますか。
【回答要旨】
照会の場合は、再適用に係る一定の要件を満たしていれば、住宅借入金等特別控除の再適用を受けられます。
家屋の新築等又は増改築等をした者(以下「所有者」といいます。)が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、配偶者、扶養親族その他その者と生計を一にする親族と日常の起居を共にしていない場合であっても、その家屋にこれらの親族が引き続き居住しており、そのやむを得ない事情が解消した後はその者が共にその家屋に居住することとなると認められるときは、その家屋の所有者がその家屋を引き続き居住の用に供しているものとして取り扱うこととされています(租税特別措置法関係通達41−2)。
また、家屋の所有者が、勤務先からの転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由に基因して家屋に居住しなくなった後も引き続き配偶者、扶養親族その他その者と生計を一にする親族がその家屋に居住している場合において、その後その親族がその家屋の所有者の転居先へ転居したときには、住宅借入金等特別控除の再適用に関しては、その親族が転居した日を家屋の所有者が居住の用に供しなくなった日と取り扱うこととされています(租税特別措置法関係通達41−3)。
照会の場合、昨年分までは住宅借入金等特別控除の適用があり、本年分からその適用がなくなりますが、将来、その家屋に再居住し、再適用に係る一定の要件を満たす場合には、住宅借入金等特別控除の再適用を受けられることになります(租税特別措置法第41条第18項)。
なお、その親族が転居する日までに、家屋の所在地を所轄する税務署長に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を提出しなければなりません(租税特別措置法第41条第19項)。
【関係法令通達】
租税特別措置法第41条第18項、第19項、租税特別措置法関係通達41−2、41−3
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/06/47.htm
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