独立行政法人都市再生機構の分譲住宅の割賦金総額に含まれる利息等に相当する金額の取扱い|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
独立行政法人都市再生機構(以下「機構」といいます。)からいわゆる割賦譲渡の方法により住宅を購入する場合、機構の分譲住宅譲渡契約書上の「譲渡代金の額」には、割賦譲渡に伴う金利相当額が含まれています。
例えば、即金で購入するとすれば3,000万円ぐらいが相場の住宅であっても、契約書の上では「割賦譲渡代金の額」として5,000万円と表示されています。
このような場合、住宅借入金等特別控除額の計算上、住宅借入金等の年末残高の額や家屋の取得対価の額は、どのように計算したらよいでしょうか。
【回答要旨】
原則として、機構が発行する「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の記載内容に従って計算します。
住宅借入金等特別控除額の計算は、住宅取得資金に係る住宅借入金等の金額の年末残高の額を基として計算することとされており、この場合の年末残高の額は、借入金又は債務の金額の元金部分に対応する金額をいい、利息相当額や事務手数料等の金額は含まれません。
ところで、機構が割賦支払の方法により住宅等を譲渡する場合には、分譲住宅の「割賦譲渡代金の額」は、元金相当額のほか、貸金利子や分譲事務費、貸倒損失の引当てを含めて計算されています。
このため、機構が発行する「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の上では、「住宅借入金等の金額」欄の「当初金額」及び「年末残高」は、元金相当額を基として表示することとしており、また、「居住用家屋の取得対価等に相当する額又は増改築等に要した費用の額」欄には、住宅借入金等特別控除の対象となる家屋及びその敷地の取得の対価の額の合計額に相当する金額を表示することとしています。
したがって、機構から購入した家屋について住宅借入金等特別控除を受ける場合には、機構が発行する「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の記載内容に従って計算すればよいこととなります。
ただし、住宅借入金等の年末残高の合計額(機構以外のものも含めた合計額)が家屋及びその敷地の取得対価の額の合計額を超える場合には、その家屋及びその敷地の取得対価の額の合計額に相当する部分だけが控除の対象になります(租税特別措置法施行令第26条第5項、租税特別措置法関係通達41-23)。
(注) 機構から住宅を数人で共同して購入する場合には、機構に対して、共同で譲り受ける者が連帯して債務を負うこととされています。
この場合は、証明書の「住宅借入金等の金額」欄には、連帯債務となっているその債務の全額が記載されており、また、「居住用家屋の取得対価等に相当する額又は増改築等に要した費用の額」欄には、家屋及びその敷地の全体の対価の額が記載されています。
このため、各債務者が実際に住宅借入金等特別控除額を計算する際には、各債務者ごとの負担すべき債務の金額と、共有持分割合に応じた家屋及びその敷地の取得対価の額を基に計算することが必要となります。
【関係法令通達】
租税特別措置法第41条、租税特別措置法施行令第26条第5項、租税特別措置法関係通達41-23
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/06/30.htm
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