医師による治療のため直接必要な眼鏡の購入費用|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
白内障の患者が視機能回復のために購入した眼鏡の購入費用は、医療費控除の対象となりますか。
【回答要旨】
医師の治療を受けるため直接必要なものであれば、眼鏡の購入費用も、医療費控除の対象となります。
眼鏡の購入費用は、一般的な近視や遠視の矯正のためのものは医療費控除の対象とはなりませんが、医師等の治療等を受けるため直接必要なものであれば、医療費控除の対象となります(所得税基本通達73-3)。この場合の医師の治療を受けるため直接必要な眼鏡の購入費用としては、例えば、視機能が未発達の子供の治療を行っている医師が、当該子供の視力の発育を促すために眼鏡の使用を指示した場合において、当該指示に基づいて購入する眼鏡の購入費用や、白内障の患者が、術後の創口の保護と創口が治癒するまでの視機能回復のために一定期間装用する眼鏡の購入費用のようなものがあります。
これらの例示からわかるように、眼鏡の購入費用で医療費控除の対象となるものは、医師による治療を必要とする症状を有することが必要であり、かつ、医師による治療が現に行われていることが必要です。
なお、医師による治療を必要とする症状を有するかどうかは、医学の専門家以外の者には判定が難しく、また、現に医師による治療が行われているかどうかをどのような方法で証明(確認)するかといったような問題もあることから、厚生労働省では、社団法人日本眼科医会に対して、次のように指導しています。
医師による治療を必要とする症状は、次に掲げる疾病のうち一定の症状に限られるものであること。
・ 弱視、斜視、白内障、緑内障、難治性疾患(調節異常、不等像性眼精疲労、変性近視、網膜色素変性症、視神経炎、網脈絡膜炎、角膜炎、角膜外傷、虹彩炎)
医師による治療を必要とする症状を有すること及び現に医師による治療を行っていることを証明するため、所定の処方せんに、医師が、上記に掲げる疾病名と、治療を必要とする症状を記載すること。
なお、この場合の眼鏡のフレームについては、プラスティックやチタンなど眼鏡のフレームの材料として一般的に使用されている材料を使用したものであれば、特別に高価な材料を使用したものや特別の装飾を施したものなど奢侈にわたるものを除き、その購入費用も、医療費控除の対象となります。
【関係法令通達】
所得税基本通達73-3
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/05/53.htm
関連する質疑応答事例(所得税)
- 保証期間付終身年金契約に基づく年金の繰上受給
- トタンぶきの屋根を瓦ぶきにした場合
- 事業主負担の保険料等の生命保険料控除の適用
- シロアリの駆除費用
- 介護老人保健施設の施設サービス費
- 相続により取得した住宅に係る借入金
- 確定拠出年金制度への移行による打切支給の退職手当等として支払われる給与
- 一時所得の金額の計算(一時所得内の内部通算の可否)
- 被害者参加人に支給される被害者参加旅費等
- 利息や割賦事務手数料等
- 入院患者の食事代
- 国等に対して相続財産を贈与し、相続税の非課税規定の適用を受けた場合
- 借入金等を借り換えた場合
- 転地療養のための費用
- 還付加算金が雑所得として課税される場合の必要経費
- 底地の購入に係る借入金
- 地方公共団体が要介護者と同居する家族へ支給する手当金の所得税法上の取扱い
- 不妊症の治療費・人工授精の費用
- 所得制限により住宅借入金等特別控除の適用がなかった期間がある場合の再適用の可否
- 事業を廃業した場合の繰延消費税額等の処理
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。