役員報酬(事前確定届出給与)で節税 (*2015年版)
事前確定届出給与を役員賞与のように活用して節税する。事前確定届出給与の要件や注意点。 (*2015年版)

旧定率法を旧定額法に変更した後に資本的支出をした場合|所得税

[旧定率法を旧定額法に変更した後に資本的支出をした場合]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 印刷業を営むAは、機械・装置の償却方法について旧定率法を選定していましたが、平成26年分から旧定額法に変更することとし、平成26年2月に旧定額法への変更承認申請書を提出しました(みなし承認済み)。
 ところで、平成19年1月に取得した印刷設備(印刷業又は印刷関連業用設備:その他の設備)について、平成27年7月にその設備に対して資本的支出を行いましたが、この場合、減価償却費はどのように計算するのでしょうか。

  1. (1) 取得価額:3,000,000円
  2. (2) 法定耐用年数:10年(旧定額法及び定額法の償却率0.100)
  3. (3) 平成26年1月1日の未償却残額:596,848円(耐用年数の適用に関する取扱通達付表7(1)による経過年数7年)
  4. (4) 平成26年分において適用した耐用年数:3年(旧定額法の償却率0.333)
  5. (5) 平成27年1月1日の未償却残額:497,997円
  6. (6) 資本的支出の金額:1,200,000円
  7. (7) 資本的支出時における印刷設備の再取得価額(新品の価額):2,500,000円

【回答要旨】

 照会の場合は、減価償却資産と資本的支出について耐用年数3年を使って減価償却費を計算することができます。

 減価償却資産に資本的支出をした場合は、その資本的支出の部分について、原則として、もとの減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして減価償却費を計算しますが(以下「本則」といいます。)(所得税法施行令第127条第1項)、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産について資本的支出をした場合には、その支出した金額をその減価償却資産の取得価額に加算することができます(以下「特例」といいます。)(同条第2項)。
 また、照会について、この特例によった場合の減価償却費の計算の基礎となる耐用年数は、次の場合に応じそれぞれ次に定める年数によります(所得税基本通達49-20の2)。

  •  その資本的支出の金額がその減価償却資産の再取得価額の50%に相当する金額以下の場合・・・・・・その減価償却資産につき現に適用している耐用年数
  •  以外の場合・・・・・・その減価償却資産について定められている耐用年数

 照会の場合には、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産について資本的支出をしていますので、特例を適用することができます。さらに、資本的支出の金額がその減価償却資産の再取得価額の50%に相当する金額以下(1,200,000円≦2,500,000円×50%)ですので、その減価償却資産につき現に適用している耐用年数3年を使って減価償却費を計算することができます。平成27年分の具体的な減価償却費の計算は、次のとおりです。

  • (1) 平成27年の減価償却費の計算
    • イ 本体部分
       {596,848円−(3,000,000円×10%)}×0.333×12/12=98,851円(未償却残額399,146円)
    • ロ 資本的支出部分
       {1,200,000円−(1,200,000円×10%)}×0.333×6/12=179,820円(未償却残額1,020,180円)
    • ハ 平成27年分の償却費の額
       98,851円+179,820円=278,671円
  • (2) 資本的支出後の取得価額
     596,848円+1,200,000円=1,796,848円
  • (3) 期末未償却残額
     399,146円+1,020,180円=1,419,326円

【参考】本則を適用した場合の平成27年の減価償却費の計算

  1. イ 本体部分
     {596,848円−(3,000,000円×10%)}×0.333×12/12=98,851円(未償却残額399,146円)
  2. ロ 資本的支出部分
     1,200,000円×0.100×6/12=60,000円(未償却残額1,140,000円)
  3. ハ 平成27年分の償却費の額
     98,851円+60,000円=158,851円

【関係法令通達】

 所得税法第49条、所得税法施行令第120条第1項、第120条の2第1項、第127条第1項、第2項、所得税基本通達49-20、49-20の2、耐用年数の適用に関する取扱通達付表7(1)

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/04/21.htm

関連する質疑応答事例(所得税)

  1. トタンぶきの屋根を瓦ぶきにした場合
  2. 在宅療養の世話の費用
  3. 自家用車で通院する場合のガソリン代等
  4. 住宅の取得に併せて購入したカーテン等の取得対価
  5. 事業を廃業した場合の繰延消費税額等の処理
  6. 死亡した父親の医療費
  7. 外貨建債券が償還された場合の償還差益及び為替差損益の取扱い
  8. 医療費を補する保険金等の金額のあん分計算
  9. 政党等寄附金特別控除と寄附金控除の選択替え
  10. 中小企業退職金共済制度への移行による打切支給の退職手当等として支払われる給与(払込上限額を超過する部分を一時金として支払う場合)
  11. 手付流れを受領した場合の仲介手数料
  12. 住宅借入金等特別控除の再適用を受けるための手続(再び居住の用に供したときの手続)
  13. オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除
  14. 控除対象扶養親族の差替え時期
  15. 底地の取得及び取得対価の額
  16. 妊娠中絶の費用
  17. 親族に支払う療養上の世話の費用
  18. 資本的支出の取得価額の特例
  19. 確定拠出年金制度の規約により加入者とされない使用人を対象に打切支給の退職手当等として支払われる給与
  20. 転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由

項目別に質疑応答事例を調べる

当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。


戦略的に節税するための無料ツール

一括節税計算機
※所得を入力して、税目別に税額を一括比較する
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

 本サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

 本サイトでは掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
新着情報 RSS
01/29 生命保険で節税
02/08 所得税の延納(利子税)で節税
09/26 経営セーフティ共済で節税
02/22 役員報酬(事前確定届出給与)で節税
02/19 不動産(再建築費評点基準表)で節税
新着情報を見る
節税対策ブログ
02/13 所得税確定申告で誤りの多い12項目(2019年度版)
01/29 死亡退職金の受取人(役員退職慰労金規程と相続税)
02/22 所得税確定申告で誤りの多い事例とは
02/02 クレジットカードポイント等の税務処理
02/01 ふるさと納税特産品と株主優待の税務処理
節税対策ブログを見る
アクセス数
今日:330
昨日:481
ページビュー
今日:726
昨日:2,310

ページの先頭へ移動