権利変換により取得した代替資産等に係る減価償却費の額を計算するときの取得時期|所得税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例(租税特別措置法第33条の3)の適用を受けた者が、平成10年4月1日以後に権利変換により代替資産等を取得した場合に、その代替資産等のうち建物部分については、旧定率法による減価償却を行うことができますか。
【回答要旨】
権利変換により譲渡した資産の取得時期が平成10年3月31日以前のものについては、旧定率法による減価償却を行うことができます。
平成10年4月1日以後に取得(相続を含みます。)された建物の償却方法については、旧定率法の選択は認められず定額法又は旧定額法に限られます(所得税法施行令第120条第1項第1号ロ、第120条の2第1項第1号、所得税基本通達49-1)。
ところで、個人が、その有する資産につき第一種市街地再開発事業が施行された場合において、その資産に係る権利変換により施設建築物の一部を取得する権利を取得したときは、その権利変換により譲渡した資産の譲渡がなかったものとみなされます(租税特別措置法第33条の3第2項)。また、この特例の規定の適用を受けた者が、権利変換により取得した資産(以下「代替資産等」といいます。)について減価償却費の額を計算するときは、その譲渡した資産の取得の時期をその代替資産等の取得の時期とすることとされています(租税特別措置法第33条の6第1項)。
したがって、代替資産等の取得時期は、権利変換により譲渡した資産の取得時期が引き継がれることから、その取得時期が平成10年3月31日以前のものについては、旧定率法による減価償却を行うことができます。
【関係法令通達】
所得税法施行令第120条、第120条の2、所得税基本通達49-1、租税特別措置法第33条の3、第33条の6
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/04/07.htm
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