共有地の分割等|消費税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
次の土地取引については、所得税又は法人税の取扱いでは、土地の譲渡はなかったものとして取り扱うこととされていますが、消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。
取引 | 根拠通達 | |
---|---|---|
1 | 共有地の分割 | 所基通33−1の6 法基通2−1−19 |
2 | 法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合 | 所基通33−6の6 法基通2−1−20 |
3 | 道路の付替え | 法基通2−1−21 |
【回答要旨】
所得税又は法人税の取扱いにおいて、土地の譲渡はなかったものとして取り扱われる共有地の分割、法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合及び道路の付替えは、いずれも資産の譲渡に該当しないものとして取扱い、課税売上割合の計算上も分母に算入しないこととなります。
(理由)
(1) 2以上の者が一の土地を共有している場合において、その共有地をそれぞれの共有持分に応じて分割し、それぞれ単独所有の土地としたときは、その共有地の分割は、一般的に共有持分の交換による譲渡であるとされています(昭42.8.25最高裁第二小法廷判決)。
しかし、元来、資産の共有関係というのは、将来において行われる持分に応じた分割のための過渡的な姿に過ぎないと考えられていることから(この考え方から、法人税及び所得税では、その分割による資産の譲渡はなかったものと取り扱っています。)、共有持分に応じた共有地の分割は資産の譲渡に該当しないものとして取り扱われます。
(2) 法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合については、土地所有者相互間における相隣関係の問題として単に境界線を整理しただけのことであり、土地の所有権の実態に何らの変化はなかったと考えられることから、資産の譲渡に該当しないものとして取り扱います。
(3) 道路の付替えのための土地の交換についても、単に道路の位置を変更して土地の利用の円滑化を図ったという程度のものと認められることから、資産の譲渡に該当しないものとして取り扱います。
【関係法令通達】
消費税法第2条第1項第8号
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/17/06.htm
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