債務承継がある場合|譲渡所得
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
租税特別措置法第40条の対象となる特定一般法人(美術館の設置運営を目的とする法人)を設立するに当たり、個人Aは、所有する美術館の建物とその敷地(時価3億円)を寄附するとともに、この建物の建築資金として金融機関から融資を受けた借入金の残金1億円を承継させました。この場合、租税特別措置法第40条の規定の適用が受けられますか。
なお、同特定一般法人に対しては、別途、甲(株)から現金5億円が寄附されています。
【回答要旨】
寄附により法人に資産を譲渡した場合においても、例えば、その資産の譲渡に伴って債務の引受けが行われており、その資産の譲渡と債務の引受けとが実質的に対価関係にある場合には、その譲渡は無償譲渡ではなく有償譲渡であることから、当該寄附については、所得税法第59条第1項第1号の規定の適用はないこととなります(所基通59-2)。
したがって、租税特別措置法第40条は、所得税法第59条第1項第1号の規定の特例ですから、照会の場合にはその適用はありません。
【関係法令通達】
租税特別措置法第40条
所得税法第59条第1項第1号、第2号
所得税基本通達59-2
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/21/01.htm
関連する質疑応答事例(譲渡所得)
- 土地の使用に代わる買取りの請求に基づく土地の買取り
- 農地を宅地に造成した後宅地と交換した場合
- 特別土地保有税と取得費
- エレベーター付建物のうちエレベーターのみを買換資産とすることの可否
- 集会所敷地に充てるための保留地指定があった土地との交換
- 一の効用を有する一組の資産
- 「買取り等の申出のあった日」の判定
- 建物の交換に伴い相互に借地権を設定し合った場合
- 土地収用法第95条第3項により補償金の一部が供託された場合の収入金額と収入時期等
- 交換により取得した資産を代替資産とすることの可否
- 立木補償金でアパートを取得した場合
- 当事者の申出に基づく仮換地の指定替え
- 連帯保証債務に係る債務控除と保証債務の特例
- 土地を取得した者以外の者が優良住宅等を建築した場合(15号)
- 公有地の拡大の推進に関する法律の協議に基づく買取り(譲渡制限期間経過後の譲渡)
- 耕作権を交換譲渡し農地を交換取得した場合
- 農地を寄附した場合の寄附年月日
- 減価補償金を交付すべきこととなる土地区画整理事業において公共施設用地の買取りの対価と換地処分に伴う建物移転補償金を取得した場合
- 月極めの貸駐車場の用に供される土地を買換資産(租税特別措置法第37条第1項の表の第9号の下欄)とすることの可否
- 預金で保証債務を履行した後に資産を譲渡した場合
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。