不在者財産管理人が家庭裁判所の権限外行為許可を得て、不在者の財産を譲渡した場合の申告|譲渡所得
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
甲(弁護士)は、不在者乙の財産管理人ですが、家庭裁判所の許可を得て、乙所有の土地を第三者に売却しました。
この場合、財産管理人である甲は、不在者である乙の土地の譲渡所得について、乙に代わって所得税の申告を行うことができますか。
【回答要旨】
不在者財産管理人は一種の法定代理人であるから、その権限は基本的に民法第103条の範囲内にあり、管理行為(保存行為、利用行為、改良行為)のみを行うことができ、それを超える処分行為を行うときには、家庭裁判所の権限外行為許可を得なければならないとされています(民法28)。
不在者財産管理人が家庭裁判所の権限外行為許可を得て、不在者の財産を譲渡した場合、当該譲渡についての納税申告は保存行為に該当すると解されますから、不在者財産管理人は、家庭裁判所の権限外行為許可を得ることなく、不在者の代理人として納税申告を行うことができます。
したがって、照会の場合も、甲は乙の代理人として所得税の申告書を提出することができ、甲から提出された申告書は乙の適法な申告書として取り扱われます。
【関係法令通達】
民法第28条、第103条
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/joto/09/02.htm
関連する質疑応答事例(譲渡所得)
- 租税特別措置法第37条第2項に規定する買換取得資産である土地の面積制限
- 前年に取得した対償地を代替資産とすることの可否
- 効用の異なる2個の資産のうち1個を交換とし他の1個を売買とした場合
- 分譲地の道路用地の取得費等
- 不動産業者が所有する棚卸資産が収用され、その対償に充てるために買収した土地と租税特別措置法第34条の2の適用の可否
- 寄附者等に対する特別な利益の供与があった場合
- 土地等の使用に伴う損失の補償金を対価補償金とみなす場合
- 相続税の修正申告があった場合における譲渡所得の取得費加算
- 手持ち資金と譲渡代金とで保証債務を履行し、求償権の一部が回収不能となった場合
- 保証債務を履行するために2つの資産を譲渡した場合
- 古都保存法第11条第1項の規定により土地等が買い取られる場合の租税特別措置法第34条の2,000万円控除の特例における「一の事業」の判定
- 共有で所有している家屋とその敷地を譲渡した場合
- 公有地の拡大の推進に関する法律の協議に基づく買取り(譲渡制限期間経過後の譲渡)
- 交換により取得した資産を代替資産とすることの可否
- 非課税承認が取り消された場合
- 建設業者が共同で行う民間住宅地造成事業
- 所得税法第58条の適用がある資産の所有期間の判定
- 現物出資により取得した有価証券に付すべき取得価額
- 交換によって資産を譲渡した年と同一年中に、その交換によって取得した資産を保証債務の履行のために譲渡した場合の譲渡所得の計算
- 集会所敷地に充てるための保留地指定があった土地との交換
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。