誤って納付した印紙税の還付|印紙税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
当社は機械を製造している会社です。先日、機械の発注があったので請書を作り、1万円の印紙を貼って先方に持参したところ、機械の設計変更をしたいので請書を書き換えてくれといわれました。そこで、新たに請書を作り直し別の1万円の印紙を貼って先方に渡したのですが、先方に渡すことなく不要となった請書の印紙はどのようにしたらよろしいのでしょうか。もし、払戻しができるのでしたらその方法を教えてください。
【回答要旨】
印紙税は課税文書の作成があった時に納税義務が成立するのですが(国税通則法第15条第2項)、ここにいう「作成」とは、課税文書の単なる調製行為をいうのではなく、その文書をその目的に従って行使することをいいます(基通第44条)。請書は相手方に渡すことを目的として作成される文書ですから、その作成の時とは相手方に渡した時となります。印紙は課税文書の作成の時までに貼り付けることが原則となっていますから、おたずねの請書のように、あらかじめ印紙を貼り付けたが何らかの事情で印紙税法上の作成行為がないままに、すなわち印紙税の納税義務が成立しないままに終わることがしばしば生じます。このように、あらかじめ文書に印紙を貼り付けておいたが納税義務が成立しないまま終わった場合は、結果からみれば納税義務がないにもかかわらず印紙税を納付したことになりますから、その文書に貼り付けた印紙の金額に相当する金額は過誤納金として還付の対象になります。
次に、還付を受ける方法ですが、まず、印紙税についての過誤納の事実があることについて所轄税務署長の確認を受けなければなりません。それには、「印紙税過誤納確認申請書」を提出するとともに、印紙税が過誤納となっている文書を提示することが必要です。「印紙税過誤納確認申請書」の用紙は税務署に用意してあります(又は国税庁ホームページから入手することもできます。)。したがって、印紙税の過誤納金の還付を受けようとする人は、印紙税が過誤納となっている文書と印鑑を税務署に持参すればよいようになっています。税務署長は、提示された文書について印紙税の過誤納の事実を確認した場合には、その文書に貼られている印紙に「過誤納処理済」等と表示した印を押して返戻するほか、過誤納金を還付することになります。この場合、還付は現金を直接渡すことはしないで、銀行か郵便局を通じてなされますから、還付金を受け取るまでには若干の日数をみていただくことが必要です。
【関係法令通達】
印紙税法第14条第1項、印紙税法基本通達第44条、国税通則法第15条第2項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/06/05.htm
関連する質疑応答事例(印紙税)
- 記載金額の計算
- 茶道教授等の謝礼金受取書
- 印紙の消印の方法
- 誤って納付した印紙税の還付
- 消費貸借の意義
- 諸給与一覧表等の取扱い
- 預貯金通帳に係る納付の特例
- 2以上の号に該当する文書の所属の決定
- 受取書の課否判定のチェックポイント
- リサイクル券(特定家庭用機器廃棄物管理票)
- 印紙の範囲
- 収入印紙の交換制度
- 課税文書の作成時期及び作成者
- 「目的物の種類」を定めるものについて
- 船舶の範囲
- 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い
- プログラムの設計・開発契約書
- クレジット販売の場合の領収書
- 消費税及び地方消費税が区分記載された受取書
- 税込金額と税抜金額をそれぞれ記載した後に一括値引きした場合
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。