国外財産の評価――取引金融機関の為替相場(2)|財産の評価
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
被相続人がハワイに所有していた不動産(時価500万ドル)を相続人5人(甲、乙、丙、丁、戊)の共有とすることとしました。対顧客直物電信買相場(又はこれに準ずる相場)は、金融機関によって異なっていますが、相続税の申告をする場合には、どれを適用するのでしょうか。
【回答要旨】
各相続人の取引金融機関の公表する対顧客直物電信買相場又はこれに準ずる相場により、邦貨換算します。
(理由)
外国為替業務を行う金融機関がそれぞれ独自に為替相場を決めることができるので、金融機関により異なる対顧客直物電信買相場(又はこれに準ずる相場)が公表される場合もあります。
相続税法の施行地外にある財産の邦貨換算については、外貨預金と異なり金融機関を特定することができないため、相続人が既に取引している金融機関において為替相場を確認することが最も一般的で、簡便であることから、相続人の取引している金融機関の公表する対顧客直物電信買相場により邦貨換算することとしています。
なお、この場合の取引金融機関には、被相続人が取引していた金融機関の預金等を相続した場合のその金融機関を含み、取引金融機関が複数ある場合には相続人の選択した取引金融機関の対顧客直物電信買相場によります。
したがって、質問のように、同一不動産を複数の者の共有として相続した場合に、各相続人が異なる金融機関を選択し、その金融機関の公表する対顧客直物電信買相場が異なっている場合には、各相続人の共有持分に相当する外貨建ての価額の邦貨換算額が異なる場合もあり得ます。
【関係法令通達】
財産評価基本通達4-3
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/15/02.htm
関連する質疑応答事例(財産の評価)
- 1株当たりの利益金額――継続的に有価証券売却益がある場合
- 占用権の意義
- 路線価の高い路線の影響を受ける度合いが著しく少ない場合の評価
- 金利スワップ(デリバティブ)の純資産価額計算上の取扱い
- 採草放牧地の地目
- 直後期末の方が課税時期に近い場合
- 広大地の評価の計算例(その2)
- 宅地の評価単位−借地権
- 不整形地の奥行距離の求め方
- 広大地の評価の計算例(その1)
- 不整形地の評価――計算上の奥行距離を基として評価する場合
- 同族会社が株主である場合
- 1株当たりの利益金額−外国子会社等から剰余金の配当等がある場合
- 宅地の評価単位−不合理分割(1)
- 宅地が2以上の地区にまたがる場合の画地調整
- 二方路線影響加算の方法
- 源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額(復興特別所得税の取扱い)
- 農地法の許可を受けないで他人に耕作させている農地の評価
- 不整形地の評価――区分した整形地を基として評価する場合
- がけ地補正率を適用するがけ地等を有する宅地
項目別に質疑応答事例を調べる
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。