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持株会社と事業会社が合併する場合の事業関連性の判定について|法人税

[持株会社と事業会社が合併する場合の事業関連性の判定について]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 持株会社であるAホールディングス社とB社は、平成X年10月1日を目途に合併することを予定しています。なお、Aホールディングス社とB社とは、平成X−2年4月1日に支配関係が生じています。
 今般の合併については、Aホールディングス社がB社の発行する株式を100%保有していますので、適格合併に該当すると考えていますが、両社の間で支配関係が生じた日が平成X-2年4月1日であることから、みなし共同事業要件(法令112)を満たさない場合には特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入規定(法62の7)が適用されることになります。

 本件の場合、みなし共同事業要件のうちの一つである事業関連性要件について、次のことからすれば、両社の事業は相互に関連性があるものと考えて差し支えないでしょうか。

. Aホールディングス社は、B社及びB社グループの経営管理業務を行っている。

. B社は、Aホールディングス社の行う経営管理により事業活動を継続・維持している。

【回答要旨】

1. お尋ねのみなし共同事業要件とは、一般に、法人税法第62条の7《特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入》第1項に規定する「共同で事業を営むための適格組織再編成等」に該当するための要件をいい、具体的には、その適格組織再編成等が次の(1)から(4)までに掲げる要件又は(1)及び(5)に掲げる要件に該当することをいいます(法令112、)。

  1. (1) 事業関連性要件(法令112一)
  2. (2) 事業規模要件(5倍)(法令112二)
  3. (3) 被合併法人の事業規模継続要件(2倍)(法令112三)
  4. (4) 合併法人の事業規模継続要件(2倍)(法令112四)
  5. (5) 特定役員引継要件(法令112五)

2. このみなし共同事業要件のうち事業関連性要件(上記1(1))とは、法人税法施行令第112条第3項第1号では「適格合併に係る被合併法人の被合併事業と当該適格合併に係る合併法人の合併事業とが相互に関連するものであること」と規定されています。
 この事業が「相互に関連するものであること」というのは、例えば、「○×小売業と○×小売業というように同種の事業を営んでいるもの」、「製薬業における製造と販売のように、その業態が異なっても薬という同一の製品の製造と販売を行うなど、それぞれの事業が関連するもの」、「それぞれの事業が合併後において、合併法人において一体として営まれている現状にあるもの」などがこれに該当すると考えられます。

3. ところで、持株会社の中には、単に株主としての立場のみしか有しないような場合がありますが、ご照会の場合には、Aホールディングス社は、B社及びB社グループの事業最適化等を踏まえた事業計画の策定や営業に関する指導及び監査業務などの経営管理業務を行うことによって、単に株主としての立場のみだけでなく、持株会社としてB社を含むA社グループ全体の財務面、監査面などを経営上監督する立場にあり、いわばAホールディングス社とB社グループが相まって一つの事業を営んでいる実態にあるような場合には、両社の事業は密接な関係を有していると認められ、Aホールディングス社の合併事業とB社の被合併事業は相互に関連するものと解するのが相当と考えられます。

【関係法令通達】

 法人税法第62条の7
 法人税法施行令第112条第3項第1号、第10項
 法人税法施行規則第3条、第26条

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/33/05.htm

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