役員社宅で節税
役員用に社宅を借り上げて節税する。通常の賃貸料の計算式や固定資産税の課税標準を調べる方法、福利厚生規程に記載するサンプルなど。

「プライバシーマーク」の使用許諾を受けるまでの費用等の税務上の取扱いについて|法人税

[「プライバシーマーク」の使用許諾を受けるまでの費用等の税務上の取扱いについて]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 A社では、付与機関(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)からプライバシーマークの使用許諾を受け、これを広告用資料に使用して、個人情報の取扱いを適切に行う体制を整備している企業であることをアピールしたいと考えています。
 ところで、プライバシーマークの使用許諾を受けるまでには、次のような費用が必要となりますが、これらの費用に係る税務上の取扱いはどのようになるのでしょうか。
(注) プライバシーマーク制度の概要は上記付与機関(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)のホームページに掲載されています。

  • (1) プライバシーマークの使用許諾を受けるための要件を満たす事業者であるかどうかについての審査を受けるためにプライバシーマークの付与機関(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)又は指定機関(以下「付与機関等」といいます。)に対して次に掲げる費用を支払います。
    •  申請料:形式審査に要する費用として、申請時に支払います。
    •  審査料等:専門的審査に要する費用として、審査終了後に付与機関からの請求に応じて支払います。

    (注)

    • 1 指定機関とは、付与機関による指定を受けて、指定機関に所属している事業者等からのプライバシーマーク申請の受付、申請内容の審査・調査及び付与認定等の業務を行う団体をいいます。なお、付与機関も指定機関と同様の業務を行う機能を有しています。
    • 2 審査料等とは、審査料並びに現地調査に係る交通費及び宿泊費等をいいます。
  • (2) 審査の結果、「付与可」との認定(以下「付与認定」といいます。)を受けた場合、プライバシーマーク使用料(2年分:A社の場合には20万円(消費税込み))を支払うことにより、付与機関との間で付与契約を締結し、プライバシーマークの使用許諾権の付与を受けることができます。
  • (3) プライバシーマーク付与契約の契約期間は2年間ですが、更新の手続により更に2年間の延長を行うことができます。この延長の手続に当たっては、上記(1)と同様に申請料及び審査料等を、延長が認められた場合には延長期間の使用料として上記(2)と同様にプライバシーマーク使用料をそれぞれ支払うこととなります。

【回答要旨】

  • (1) の申請料については、その支払日の属する事業年度の損金の額に算入して差し支えありません。
     の審査料等については、請求書を受領した日の属する事業年度の損金の額に算入して差し支えありません。
  • (2) プライバシーマーク使用料は、法人税法施行令第14条第1項第6号ホ《その他自己が便益を受けるための費用》に規定する繰延資産(償却期間は契約期間の2年)に該当するものとして取り扱うことになります。
     なお、A社が消費税について税抜経理処理を適用している場合には、繰延資産となる費用の金額は20万円未満となり、法人税法施行令第134条《繰延資産となる費用のうち少額のものの損金算入》の規定を適用して、その支払日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。
  • (3) 上記(1)又は(2)と同様に取り扱うこととなります。

(理由)

1 プライバシーマークの使用許諾を受けるまでに要する費用
  • (1) 申請料及び審査料等

     事業者が付与機関等に支払う申請料、審査料等は、当該事業者が個人情報の取扱いを適切に行う体制等を整備していると認められる事業者であることの付与機関等の付与認定を受けることを目的とする費用です。
     これらの費用は、次に掲げることからすれば、申請料についてはその支払日の属する事業年度、審査料等については付与機関等からの請求書受領日の属する事業年度において、それぞれ損金の額に算入することになると考えられます。

    •  審査の結果いかんにかかわらず必要となる費用であり、審査の結果、付与認定が受けられなかった場合でも返還されるものではないこと。
    •  申請料については形式審査終了時に、審査料等については専門的審査終了時に、付与機関等の役務提供は完了すること。
    •  専門的審査の結果、付与機関等の付与認定を受けた場合において、プライバシーマークを使用するためには別途付与契約を締結し使用料を支払う必要があり、当該申請料、審査料等の効果が支出の日以後1年以上に及ぶとは認められないこと。
  • (2) プライバシーマーク使用料

     プライバシーマーク使用料は、付与機関との間で締結したプライバシーマーク付与契約に基づき、付与機関が所有する商標権であるプライバシーマークを2年間使用する許諾を得るために支出する費用です。
     したがって、プライバシーマーク使用料は支出の効果が2年間に及ぶものと認められるところ、税法上、支出の効果が1年以上に及ぶ費用のうち一定のものについては、繰延資産に該当することとされており(法2二十四)、当該「一定のもの」に該当すれば本件のプライバシーマーク使用料は繰延資産に該当することとなります。
     当該「一定のもの」については、法人税法施行令第14条第1項各号《繰延資産の範囲》に掲げられており、本件のプライバシーマーク使用料は同項第1号から第5号まで、及び第6号イからニまでのいずれにも該当しないことから、同号ホに規定する「イからニまでに掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用」に該当するかどうかを検討することとなります。
     この点、法人税基本通達8-1-10《出版権の設定の対価》の(注)において「他人の著作物を利用することについて著作権等の許諾を得るために支出する一時金の費用」が法人税法施行令第14条第1項第6号ホ《その他自己が便益を受けるための費用》に規定する繰延資産に該当することからすれば、同様に他人の商標権の使用許諾を得るために支出する本件のプライバシーマーク使用料も繰延資産に該当すると解することとなります(この場合の償却期間は支出の効果の及ぶ期間、すなわち契約期間の2年となります。)。
     ただし、プライバシーマークの使用料は、小規模事業者は5万円、中規模事業者は10万円とされており、いずれも20万円未満ですから、法人税法施行令第134条《繰延資産となる費用のうち少額のものの損金算入》の規定を適用して、その支出の日の属する事業年度において損金の額に算入することができます。
     また、大規模事業者(お尋ねのA社)のプライバシーマークの使用料は20万円ですが、この金額は消費税込みの金額ですから、大規模事業者が税抜経理方式によっている場合には、その使用料の額は20万円未満となり、この場合には中小事業者と同様にその支出の日の属する事業年度において損金の額に算入することができることとなります(平成元年3月1日付直法2−1「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて」(法令解釈通達)の9)。

    (注)

    • 1  プライバシーマーク制度は、「事業者が個人情報の取扱いを適切に行う体制等を整備していることを認定し、その証として"プライバシーマーク"の利用を認める制度」とされていますので、プライバシーマーク制度を利用することは、事業者にとって体制等の整備の確認及びマークの使用という2つの効果があるようです。
    • 2  付与機関等は、プライバシーマークの付与契約期間(2年間)内において、必要に応じて実地調査等により、事業者が要件を維持しているかどうか等を審査し、その審査料等を徴することとしています。この場合の審査料等は、支出の効果が1年以上に及ぶとは認められないことから審査終了時に損金の額に算入することができるものと考えられます。
2 付与認定の更新等に要する費用

 付与認定の更新等に要する費用については、更新等に係るものではありますが、その内容は1(1)及び(2)の費用となんら変わるところはなく、税務上も1の(1)及び(2)の費用と同様に取り扱うこととなると考えられます。

【関係法令通達】

 法人税法第2条第24号
 法人税法施行令第14条、第134条
 法人税基本通達8−1−10、8−2−3
 平成元年3月1日付直法2−1「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて」(法令解釈通達)

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/20/10.htm

関連する質疑応答事例(法人税)

  1. 換地処分の場合の圧縮記帳の経理等
  2. いわゆる「三角合併」において被合併法人の株主に交付される合併親法人株式について
  3. 賃借建物にした造作を買換資産とする場合の取扱い
  4. 保険差益の圧縮記帳と特定資産の買換えによる圧縮記帳との関係
  5. 非常用食料品の取扱い
  6. 米国LLCに係る税務上の取扱い
  7. 特定非営利活動促進法により設立されたNPO法人の法人税法上の取扱い
  8. 解約返戻金のない定期保険の取扱い
  9. いわゆる「三角合併」に係る適格要件について
  10. 子会社等の合併・営業譲渡が予定されている再建計画の相当な理由の検討
  11. 再建計画の策定中にやむを得ず行う支援の合理性
  12. 避難指示解除準備区域内にある土地等を譲渡した場合における震災特例法第19条≪特定の資産の買換えの場合の課税の特例≫の適用について
  13. 債務者は「子会社等」に該当するか(特定調停)
  14. 収益事業から非収益事業に係る指定寄附金として振り替えた場合の取扱いについて
  15. 電気通信工事業者が有する機械設備の耐用年数
  16. 損失負担(支援)額の合理性
  17. 確定額を限度としている算定方法(利益連動給与)
  18. 租税特別措置法第42条の4に規定する中小企業者について(投資事業有限責任組合が出資する法人)
  19. 外国子会社配当益金不算入制度の対象となる剰余金の配当等の額の範囲について
  20. 配当権利落後の売却株式に係る受取配当金等

項目別に質疑応答事例を調べる

当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。


戦略的に節税するための無料ツール

一括節税計算機
※所得を入力して、税目別に税額を一括比較する
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

 本サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

 本サイトでは掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。

ページの先頭へ移動