更生手続中における貸倒損失|法人税
質疑応答事例(国税庁)
【照会要旨】
会社更生法の規定による更生手続が進行中であるA(株)は、同法第47条第5項((更生債権等の弁済の禁止))の規定により、更生計画認可前に、裁判所の許可を受けて、次により250万円以下の少額債権の弁済をすることとしました。
総額が50万円以下の債権は全額を弁済する。
総額が50万円を超え250万円以下の債権については、50万円を超える部分の金額に相当する債権を放棄することを条件として、50万円を支払う。これによる弁済を受けない場合は、その金額を更生債権として更生計画に組み入れることとし、債権者はあらかじめ定められた日までにそのいずれによるかの意思表示をする。
この場合、により50万円の弁済を受けることを選択した債権者が放棄することとなるその50万円を超える部分の金額に相当する債権については、貸倒れとして損金の額に算入することができますか。それともA(株)に対する寄附金となるのでしょうか。
【回答要旨】
貸倒れとして損金の額に算入されます。
(理由)
本件では、裁判所の許可を受けた更生手続の一環として50万円を超える部分の金額に相当する債権の放棄が行われるものですから、たとえ債権者が債権の一部を放棄することを選択したとしても、それは経済的な価値判断に基づくものであり、放棄された部分の債権相当額を債務者に対する寄附金とすることは相当でないと考えられます。
【関係法令通達】
法人税基本通達9−6−1
会社更生法第47条第5項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
出典
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/16/01.htm
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